縁故採用とは?メリット・デメリットと成功のコツを押さえて採用力アップへ
2022-11-01
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用その他
縁故採用とは
縁故採用とは、縁故(知人、先輩・後輩、親戚、取引先)といった何らかの関係性)を利用し、求職者を採用する方法です。
「コネ入社」「裏口入社」など、ネガティブなイメージで使われることもありましたが、昨今では採用コストを抑えられ、採用後のミスマッチを軽減できるなどのメリットが注目され、導入する企業も増えています。
人員不足でお悩みの企業の方、採用が上手くいかずに悩まれている担当者の方、採用後のミスマッチでお困りの方も、今一度「縁故採用」を見直してみてはいかがでしょうか?
こちらでは「縁故採用」を改めて考える機会として、縁故採用のメリットや縁故採用のコツなどをお伝えしましょう。
縁故採用とリファラル採用の違い
縁故採用と似た採用手法として、「リファラル採用」があります。
リファラル採用は、すでに自社で働いている既存社員からの紹介で人材採用を行う手法です。
縁故採用とリファラル採用は、「社員からの紹介で人材を獲得する」という点では同じあり、両者に明確な違いはありません。
しかし、縁故採用は紹介者が主導の採用であり、求職者との関係性や求職者の人柄重視の採用です。
つまり、社風や、職場の雰囲気に合いそうな人材という点が採用のポイントなのです。
一方のリファラル採用は、社員や知人から紹介された求職者の中から、採用条件に合う人材を採用することが目的です。
つまり、求職者の能力や経験が重要視されるポイントであり、即戦力となる人材がほしい企業、事業に生かせるノウハウを持った人材が欲しいという企業が導入する場合に適した採用手法なのです。
縁故採用のメリットとデメリット
次に縁故採用のメリットとデメリットを見ていきましょう。
縁故採用導入によるメリットとは
- 身元がはっきりしているため、求職者の人物像が把握できる
- 入社後の活躍に期待ができる
- 採用コストが削減できる
などがあります。
縁故採用の場合、紹介者の立場も考えれば経歴詐称してまで紹介してくることは、基本的にはありえません。
さらに紹介者から、企業の風土や社内の雰囲気、業務に関する情報などを聞いた上で入社するので、入社後に受けるギャップが少なくて済みます。
早期離職の可能性は低いうえ、活躍してくれる可能性は高いという嬉しいメリットがあります。
また、求人サイトの利用料や広告費、人材紹介料などのコスト削減も期待できるでしょう。
縁故採用導入によるデメリットとは
- 公平性に欠ける
- 優秀な人材が紹介されるとは限らない
- 応募人数を見込めず、採用計画が立てにくい
- 紹介者との関係性が悪化するリスクがある
などがあります。
紹介をもとに採用する縁故採用は、一般応募してきた求職者と比較した場合、残念ながら選考時の公平さに欠ける部分があります。
優秀な人材以上に縁故が優先されれば、社内から「不公平だ」という声や、入社後に同僚などから「ずるいんじゃないか」「特別扱いされている」というような声が出る場合もあるでしょう。
これにより、社内の雰囲気や風通しが悪くなる可能性も考えられます。
また、縁故採用で入社した社員が何かのトラブルや問題を起こした場合、紹介者との関係性が悪くなる場合もあるでしょう。
そもそも、縁故採用はあくまで紹介での応募となるため、多くの応募者からの応募は期待できません。
そのため、応募人数が見込みづらく、採用計画を立てにくいというメリットもあるのです。
縁故採用を成功させるコツ
縁故採用に絞った採用をしない
縁故採用は、採用コストを抑えられることがメリットだと挙げました。
しかし、応募者の数を期待できないため、多くの応募者を獲得するためにも、求人サイトや人材紹介、求人誌などの求人サービスを併用することも必要でしょう。
縁故採用は採用手法のメインではなく、補助的な採用手法の一つとして位置づけし、利用することをおすすめします。
社内への働きかけ
必要なタイミングで継続的に社内への働きかけを行い、「縁故採用」を成功させるためにPDCAを回していくことが重要です。そのサイクルの中で改善点を抽出して、社内メンバーに協力してもらうための施策を考えていきましょう。
縁故採用では、タイミングよく採用できるとは限りません。
そのため、企業の良いタイミングで欲しい人材が現れた時に最適な人材を採用できるよう、継続的に社内に働きかけを行いましょう。
働きかけのためには、「PDCA」を回すことが重要となります。
PDCAとは、
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
のサイクルを回し、業務改善を行う方法のことをいいます。
上記のサイクルの中で改善点を抽出し、社員に協力してもらうための施策を考えましょう。
社員への説明を行う
縁故採用を成功させるためには、社員の理解と協力が必要です。
というのも、縁故採用では入社後に社員間でのトラブルや縁故採用で入社した社員への不満につながりやすいからです。
縁故採用を行う目的や縁故採用で入社した社員の待遇、扱い方について導入前にしっかりと伝えることで、入社後の人間関係のトラブルを避けることができます。
何よりも縁故採用について既存社員から理解を得られるようにしましょう。
また、縁故採用だからといって、過度な待遇を用意せず、応募者本人の経験や能力に合った待遇を徹底しましょう。
縁故採用であっても、「公平性」を保つことができれば、周囲の社員も納得でき、社内で軋轢が生まれるようなことは避けられるでしょう。
縁故採用で採用力アップ!
縁故採用のネガティブなイメージは、人材不足の補強、採用コストの削減、採用ミスマッチの軽減など、採用活動における悩みを解決してくれるというメリットから、良いイメージへと変わりつつあります。
社内の調整や社員の理解など、解決しなくてはならない課題はあるものの、縁故採用で人材獲得のチャンスも広がります。
他の採用手法に縁故採用を加え、うまく運用することができれば大きな強みとなることでしょう。
この機会に「縁故採用」を見直し、採用手法の一つに加えてみてはいかがでしょうか。