ジョブカードとは?メリット、活用方法から書き方のポイントを紹介
2022-11-22
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用その他
ジョブカードとは
「ジョブカード」は、個人の持つ資格や免許のほか、過去の職業経験や職業訓練の履歴情報を整理し、個人の職業能力を「見える化」した書類のことです。
厚生労働省が推奨し、就職活動や職業訓練に役立てるために普及を進めているものの、残念ながらあまり認知度は高くなく、ご存じない方も多いのではないでしょうか?
一般的には、求職者の方や就職活動中の学生が活用しているようにとらえられています。
確かに求職者の方や就職活動中の学生にとってメリットがあるものですが、企業の人事担当の方や在職中の方にとっても見逃せないメリットがあるのです。
そこでこちらのページでは、「ジョブカード」についてさまざまな面から解説していきます。
ジョブカードの活用と作成のメリット
ジョブカードは求職活動中の方はもちろんのこと、在職中の方や企業の人事担当の方にもメリットがあります。
その活用方法とメリットについて、求職者、在職者、企業の立場から紹介しましょう。
【求職者】
応募書類として活用
ジョブカードは就職活動や転職活動の際に、応募書類として活用することができます。
ジョブカードは履歴書や職務経歴書とは異なり、アルバイトや職業訓練なども含めた経験を細かく記入できるため、社会人経験がない学生も、社会人経験が少ない方でも、より多くの自分の情報を企業に伝えられます。
キャリアプランの構築
ジョブカードを作成することは、自分自身について見直し、振り返る機会にもなり、これからのキャリアプランニングにも役立つでしょう。
就職活動時の面接などでは、キャリアプランについて聞かれるケースも多くあります。
ジョブカードを通して、自分自身についての理解が深まるため、キャリアプランを構築しやすいうえ、他の質問においても答えやすくなるでしょう。
職業訓練に活用
ジョブカードは職業訓練に活用することもできます。
ジョブカードを作成しておけば、構築したキャリアプランをもとに受講内容を選択できますし、訓練の必要性を理解したうえで受講するので、受講後の就職活動にも役立つことでしょう。
【在職者】
実務能力の証明
在職者はジョブカードへ就労経験を詳しく記載することができるため、実務能力を具体的に明示する書類としての活用が可能です。
キャリア形成に活用
ジョブカードには、個人の能力や経験はもちろんのこと、在職時に受けたキャリアコンサルティング支援の内容も記載できるため、自分の目指すキャリアを明確にすることができます。
転職活動に活用可能
転職を考えた際、ジョブカードを応募書類として提出することができます。
自分の希望だけではなく、具体的なスキルや経験を伝えることができ、応募企業とのミスマッチを防ぐことにも役立ちます。
【企業】
応募者の能力把握が可能
採用活動の際、応募者から提出されたジョブカードには、履歴書や職務経歴書よりも能力や経験が具体的かつ詳しく記載されているため、応募者の経験やスキルを把握することができます。
自社の従業員の職業能力評価に活用
自社の従業員の実務成果や職業能力評価をジョブカードに記載することで、従業員の評価制度などにも活用することができます。
ちなみに、ジョブカードのフォーマットは、厚生労働省のホームページ上からダウンロードできます。
求職活動支援書の作成に活用
企業は再就職活動支援の一環として、45歳以上65歳未満の労働者が離職することになった際には、求職活動支援書の作成・交付が義務付けられています。
それにより、求職活動支援書をジョブカードをもとに作成することができます。
国からの助成金を受けられる可能性
企業がジョブカードを活用した「雇用型訓練」を行い、要件が満たされていることを認められれば、国から助成金が受けられるケースがあります。
ジョブカードの作成方法
ジョブカードは、厚生労働省のHPからのダウンロードや職業安定所で受け取ることが可能です。
ジョブカードには以下の5種類があります。
- キャリア・プランシート
- 職務経歴シート
- 職業能力証明シート
- 職務経歴書
- エントリーシート
上記のジョブカードの中でも、就職活動などで提出を求められるものは、キャリア・プランシート、職務経歴シート、職業能力証明シートです。
作成方法は用紙の項目に沿って自分で記入すればよいだけですが、どんな内容にすればよいかなど、困ってしまった場合は、指導官やキャリアコンサルトなどのアドバイスを受けて記入することが可能です。
ジョブカードを書くためのポイント
ジョブカードをどのように書けばよいのか、よく書くためのポイントをみていきましょう。
自己分析の徹底
ジョブカードの内容を濃いものにするためには、自己理解を深める必要があります。
自分の過去の経験を振り返り、自分自身の姿を客観的に見てみましょう。
自己分析を行うことで普段は気付くことのなかった自身の強みや適性、弱点などを整理しましょう。
専門家に相談
ジョブカードが上手くまとめられない方は、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザー、就職指導員といった専門家に相談してみましょう。
有料となる場合もありますが、職業安定所や職業訓練校などを介した場合は無料で利用できることもあります。
専門家のアドバイスを受けてジョブカードを完成させることで、より内容の濃いジョブカードになるはずです。
活用効果のあるジョブカードのすすめ
ジョブカードを作成することは自分自身の経歴や能力を整理し、自分を見直す機会を持つことでもあります。
自己理解を深めることができれば、その経験やスキルをどう活かしていきたいのかなど、適切なキャリアプランニングを行うことができます。
企業側もジョブカードを持つ応募者が応募してきた場合、ジョブカードを通して応募者の具体的なスキルや能力を把握することで、採用のミスマッチを防ぎ、即戦力となる人材の採用に結び付くでしょう。
ジョブカードの活用は個人や企業の必要に応じて、活用効果が期待できるカードです。
この機会にジョブカードの作成・活用を考えてみてはいかがでしょうか。