オウンドメディアリクルーティングとは?攻め採用のメリット・デメリット

2022-09-30

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

採用新卒採用

攻め採用「オウンドメディアリクルーティング」

「オウンドメディアリクルーティング(Owned Media Recruiting)」という採用方法を
一度は耳にした人事担当の方も多いでしょう。

「オウンドメディアリクルーティング」は近年、注目を浴びている新しい採用方法で、今までにない「攻めの採用」方法です。
しかし、具体的にどのような採用方法かよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこちらでは、オウンドメディアリクルーティングの定義や、近年注目されている理由、メリット・デメリットについてご紹介していきます。

オウンドメディアリクルーティングとは

「オウンドメディアリクルーティング」は、自社が所持しているメディア「オウンドメディア(Owned Media)」を利用した「採用活動(Recruiting)」のことをいいます。

「オウンドメディア」としては、自社サイトやTwitter、Facebook、Instagramに代表されるSNS、ブログ、そして最近ではYouTubeなども含まれます。
これらの媒体を利用し、社内外に向けて情報を発信することで、求人採用サイトや人材紹介会社などに頼らない能動的な採用方法として、多くの企業から注目されています。

オウンドメディアリクルーティングが注目される理由

自社採用サイトを活用した採用方法は以前からありました。
しかし、なぜ近年、特に注目を集めるようになったのでしょうか。
オウンドメディアリクルーティングが注目されるようになった理由についてご紹介します。

優秀な人材の採用難

近年、企業が求める優秀な人材を採用することはますます難しくなっています。
そのような中で、既存の採用方法では求職者へのアピール不足が指摘されるようになりました。
そこで企業が考えた打開策が自社の認知度を上げること、転職潜在層に積極的にアピールすることなど、オウンドメディア運営を行い、広範囲に働きかけることだったのです。

求職者の仕事に対する価値観の変化

近年の求職者には「終身雇用」や「年功序列」といった考えは古いものと捉えられています。
考えは改まり、仕事をするうえでは自分のライフ・ワークバランスや価値観を大切にすることが重要視されるようになったのです。

そのため、求職者は表面的な労働条件だけではなく、企業のビジョン、社風、職場環境、評価制度などから自分のニーズに合った企業を求めるようになりました。
しかし、従来の求人サイトでは求職者のニーズに応えられるだけの情報が不足しています。
そこで自社の社風や独自性などを伝えるためにオウンドメディアが見直され、さまざまな価値観をもつ求職者に対しての採用活動ができる方法として「オウンドメディアリクルーティング」が注目されるようになったのです。

求職者の情報収集能力の向上

スマートフォンやSNSなどの普及により、求職者はさまざまな情報へのアクセスが簡単にできるようになりました。
インターネットの検索機能は私たちが日常的に使用しているものであり、それは求職者も例外ではなく、日々さまざまなキーワードで求人検索が行われています。
そして求職者のほとんどが就職活動の際に企業のホームページやSNSアカウントなどを確認し、情報収集を行うといわれています。

つまり、あまり閲覧されることのなかった企業のホームページや企業に関するニュースなども、求職活動において閲覧されることが当然になっているのです。
求職者から閲覧されることが前提であるからこそ、企業は採用に関して「オウンドメディア」を運用し充実させる必要があり、それが結果として採用活動を有利に運ぶ手段の一つとなるのです。

オウンドメディアリクルーティングのメリット・デメリット

オウンドメディアリクルーティングのメリットとは

オウンドメディアリクルーティングのメリットをご紹介します。

ミスマッチの減少

オウンドメディアでは、自社の理念、社風など、一般的な求人サイトより自社情報を詳細に提供することができます。
そのため、オウンドメディアを閲覧した求職者は自社のことを深く知り、納得したうえで応募してくれた求職者であると考えて良いでしょう。
自社理解度の高い応募者を選考できるため、企業にとってはミスマッチを防ぎ、より良い人材を獲得することができるメリットにつながります。

自社の認知度を広げ、魅力を伝えることができる

オウンドメディアは自社をアピールできるチャンスです。
求人サイトと違い、掲載内容や掲載量に制限はありません。
つまり、メディアコンテンツを充実させていけば自社の魅力をより多くアピールすることができますし、オウンドメディアの種類を増やせば、より多くの求職者から見つけてもらうチャンスを設けることができるうえ、自社の認知度を上げることもできるでしょう。

採用コンテンツの蓄積が可能

求人サイトなどを利用した場合、掲載期間が終わると掲載内容は消されてしまいますが、オウンドメディアリクルーティングの場合は自社のものであるため、半永久的に掲載でき、修正することも可能です。
コンテンツが消えないということは、求職者からの検索のチャンスを増やし続けることができるというメリットにつながります。

オウンドメディアリクルーティングのデメリットとは

オウンドメディアリクルーティングのデメリットをご紹介します。

長期戦の採用活動

採用オウンドメディアを作っても、求職者の目に留まらなければ応募には至りません。
仮にコンテンツを作成しても、すぐに採用を促せる状況になるわけではなく、オウンドメディアの認知度を上げ、閲覧してもらえる環境を整えることが必要です。
そこからのスタートですから、採用活動は長期戦になります。

オウンドメディア運営のための専門知識

オウンドメディアリクルーティングでは、採用に関する知識だけでなく、サイト運営やマーケティングの知識も必要です。
オウンドメディアを効果的に運営するには、初心者では難しく、専任人員がいなくてはオウンドメディアリクルーティング自体も頓挫してしまう可能性があるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングを活用して持続的な採用を

オウンドメディアリクルーティングは求職者の価値観が多様化した現在で、インターネットを利用した有効な採用手法です。
企業がオウンドメディアリクルーティングを導入し、上手く採用できるようになるまでには時間もかかりますし、ハードル高く感じるかもしれません。
しかし、長期的に考えた場合、オウンドメディアリクルーティングは自社の採用活動を変えるターニングポイントにもなるでしょう。
新しい採用方法を模索していた企業は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

WRITER

麻生さきこ

ライター

キャリアアドバイザーとして求職者のカウンセリングや面接対策、就職セミナーなどに携わり、求職者と企業の双方の立場から就職支援、採用支援を行った経験あり。 個人事業主として開業後は、人材分野のほか、学習・教育分野、医療分野、サブカルチャー関連など幅広いジャンルでの執筆活動、インタビュー取材を多数行う。WEB媒体はもとより、広告、新聞、雑誌など紙面での記事執筆経験あり。硬軟使い分けたコラム、エッセイも得意。