新卒採用面接で学生の本質を見極める!質問例とその評価ポイント
2022-10-27
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用新卒採用
新卒採用面接に臨む前に
企業の採用担当の方は、新卒採用の面接でどのような質問を用意されていますか?
どのような質問をして学生の本音を効果的に引き出そうかと、考えていることと思います。
新卒採用では、面接で多くの学生と会い、なおかつ短時間で初対面の学生の資質を見極めなくてはなりません。
学生のエントリーシートから知る情報だけでなく、目に見えない要素である性格や価値観といったパーソナリティを面接で引き出さなくてはならないわけです。
そのためにも、面接官が投げかける質問は非常に重要な役割と意味を持ちます。
そこでこちらのページでは、新卒採用面接において学生の本質を見抜くための効果的な質問例や、評価のポイントをご紹介しましょう。
質問例
【志望動機】仕事への価値観、企業への理解
自社にマッチし、入社後も長期的に働いてくれる人材かどうかを見極めるためには、仕事への価値観や自社で働くことに対してどのような意識を持っているのかなど、質問を通して確認します。
「志望動機は何ですか?」
というような基本的な内容はもちろんのこと、企業理解ができているか、実際に働くイメージができているかなどが判断できるような、もう少し掘り下げた質問もしてみましょう。
効果的な質問例
- 当社のどのような部分に魅力を感じ、志望してくれたのですか?
- あなたが会社選びで重要視しているのはどのような点ですか?
- 当社で働くことに対し、あなたはどのような目標を掲げていますか?
- 当社の社員に対し、どのようなイメージを持っていますか?
評価のポイント
- 企業理念への共感
- 事業に対する理解度
- 企業イメージにギャップがないか
- 長く働くイメージがある人材か
また、質問に対する回答で終わりにするのではなく、「なぜそう思ったのか?」など、その理由まで掘り下げることで、学生の考えの深さがわかるでしょう。
【自己PR】自己理解と客観的な視点
自分自身を客観的に見ることができているか
自分のことをどれだけ理解できているのか
これらを「自己理解力」ともいいます。
自分自身の長所・短所、得意分野・不得意分野、周りからどのようにみられているかなどを客観的に見て判断し、自分自身を理解する能力のことです。
自己理解力を見極めるためには、複数の質問への回答に一貫性があるかどうか、を見ていくと良いでしょう。
効果的な質問例
- あなたの強みはどんなところですか?
- あなたはどのような人間だと周りの人に言われますか?
- あなたの長所・短所を教えてください。
- 自分の短所に対し、気をつけている行動や、改善のための取り組みはありますか?
- あなたの魅力を知るためのエピソードを教えてください。
評価のポイント
- 自分のことを客観的に見ているか
- 自己理解が深いかどうか
- 成長することができる人材か
- さらに深掘りするために、回答を裏打ちするエピソードやなぜそう思ったのか、などを質問しても良いでしょう。
もし、事前に提出している応募書類、エントリーシートの内容との一貫性がない場合や、
具体的なエピソードを話すことができない学生は、自己理解が浅い可能性があります。
なお、短所については欠点としてマイナスにとらえるのではなく、自身の短所を理解したうえでの向き合い方や改善のための取り組みなどを評価しましょう。
その姿勢を知ることで、入社後、課題に直面した際にどう行動するか、どう乗り越えようとするかがイメージできるでしょう。
【遂行能力】計画性やチームワーク力を測る
入社後に必要とされる能力の一つに「遂行能力」があります。
効率よく業務を遂行するためには、効率的に仕事をするための計画性、優先順位を立てることができるかなどを見極めたいところです。
また、チームワークが重要となる業務の場合は、仲間との協調性やリーダーシップが取れるかどうかの見極めも必要でしょう。
それを見極めるためにも、学生の計画性や協調性を判断する質問を用意しましょう。
効果的な質問例
- 計画立てて、何かに取り組んだ経験があれば教えてください。
- 計画通りに行かなかったとき、どのような対応をしましたか?
- 学生時代にチームで何かを成し遂げた経験はありますか?
- グループ行動において、あなたは主にどのような役割を担っていますか?
- チームで円滑に物事を進めるためには、どのような行動が必要だと思いますか?
評価のポイント
- 計画を立てる前と立てた後の対応
- 失敗した時のことを考え、リスク管理ができているか
- グループ行動における立場
- 自分の役割の理解
計画を立てる際、リスクを見通す力があるか、計画が上手く行かない際には軌道修正しながら立て直せるかなどを見ると、入社後の業務においても直結してその姿をイメージすることができるでしょう。
また、グループの中でどのような立場に立ち、どのように動ける人材なのかを知ることで、組織内での立ち位置や役割もイメージすることができるでしょう。
【ストレス耐性】逆境での工夫、精神的な強さを測る
仕事は楽しいことばかりではありません。
入社後に困難に向き合わなければならない場合、苦手なことを続けなくてはならない場合もあるでしょう。
そのような際にどのように仕事にやりがいを見出すか、どのように対処し乗り越えるかが重要です。
質問からストレスへの耐性、逆境での切り替えや工夫ができるかなどを見極めましょう。
効果的な質問例
- 学生時代の挫折経験とその乗り越え方を教えてください。
- 興味や関心がなくても、努力をし続けた経験はありますか?
- これまでで最も困難を感じたことはなんですか?
評価のポイント
逆境にどう対応したか
感じたストレスにどう向き合ったか
この質問の場合、具体的なエピソードを聞くことが望ましいです。
「入社後、もし思うような結果が出なかったらどうしますか?」
「業務上、上司と意見が食い違うことが起きたらどうしますか?」
では、イメージで答えることになってしまうので、実際の状況とは異なるでしょう。
学生の実体験の中から聞き出し、見極めるようにしましょう。
面接で学生の本質をつかむ
面接で学生の資質をつかむための質問をご紹介しました。
実際の面接の場では、共通事項としてどの学生にも同じ質問を投げかけるようにしましょう。
同じ質問への回答で評価の基準やコツもつかむことができますし、より公平な選考ができるようになります。
入社後、自社を支え、活躍してくれる人材を見つけられるよう、個人個人の良さを引き出し、本質を見極めていきましょう。