第二新卒を採用するメリット・デメリットとは?採用時の注意点も解説!
2022-09-07
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用新卒採用
第二新卒の定義とは
新卒学生が売り手市場となる就職期に、採用が思うようにいかなかった企業は人材の確保にお悩みではありませんか?
そのような企業にとって、今、注目を集めているのが「第二新卒」です。第二新卒を採用することが、企業の人材不足を補う最適な手段の一つといっても過言ではないでしょう。
採用・転職市場では定着している言葉ですが、具体的に当てはまる人材はどのような人材のことなのか、まずは「第二新卒」の定義からお伝えしていきましょう。
新卒・既卒・第二新卒の違い
「第二新卒」という言葉について、実は明確な定義はありません。しかし、一般的には「学校卒業後に企業に入社し、3年未満で離職・求職する若年層」を指す場合が多いようです。
一方の「新卒」は新規卒業者を指し、学校卒業後、その年に就職する人材を指します。また、「既卒」は学校卒業後、一度も就職せず、社会人経験を持たない人材を指します。しかし、企業の中では「卒業後3年以内」などを条件とし、既卒であっても新卒採用枠で選考する企業も少なくはないようです。
このように、新卒に関する定義はどの企業もほぼ一致しているものの、第二新卒、既卒の解釈はさまざまで、企業の考え方次第という曖昧さがあります。
なお、人材採用は「新卒採用」、「中途採用」に分けられますが、第二新卒は中途採用に分類されるものの、年齢や経験値を踏まえ、中途採用とは区別する企業も少なくはありません。
第二新卒が積極採用される理由
第二新卒が注目され、企業が積極的に採用する理由としては
- 苦戦した新卒採用の補てん
- 若手社員の欠員補充
- 通年採用が可能
などが挙げられます。
第二新卒が中途採用に分類される利点を生かし、採用活動の負担を軽減しながら自社の社員補強ができるからと言い換えても良いでしょう。
第二新卒を採用するメリット・デメリット
第二新卒には「第二新卒ならでは」の特徴や傾向があります。新卒でもなければ社会人としても成長段階の存在を、企業があえて採用するのはなぜでしょうか。第二新卒が企業にもたらすメリット・デメリットをみていきましょう。
第二新卒が企業にもたらすメリット
第二新卒は通年採用が可能
第二新卒の場合は中途採用と同じく、通年採用ができるうえ、企業のタイミングで入社時期を調整することも可能です。また選考もスピーディーに行うことができ、応募者がいれば募集から数週間で内定・入社へと運ぶことができます。
基本的なビジネスマナーが身についている
第二新卒は新卒入社した会社ですでに新人研修などを受けています。そのため、基本的なビジネススキルを習得しており、入社後の新人研修、社会人教育にかける時間とコスト、手間を抑えることができます。
柔軟な対応力
第二新卒は就業経験があるため、仕事内容や会社組織に対する理解があります。それでいて社会人経験の少なさから、第二新卒は新しいことへのチャレンジ精神も高く、前職でのやり方にこだわることもそれほどありません。また、前職の会社の風土にも染まっていないため、自社の風土になじみやすく、柔軟な対応ができるでしょう。
就業意欲が高い
社会人経験が少ないゆえ、第二新卒は新しいことへのチャレンジ精神が強い傾向があります。また、キャリアアップを目指して退職した場合は、仕事に対してのモチベーションも高く、新環境でも意欲的な活躍を期待できるでしょう。
第二新卒が企業にもたらすデメリット
早期退職の可能性
第二新卒採用を行ったものの「すぐに辞めてしまうのでは?」と企業側が不安に思うことは間違いではありません。第二新卒はその若さゆえ、企業とのミスマッチを感じれば再び転職してやり直そうと考える可能性があります。ミスマッチを防ぐためにも、企業側は前職の退職理由や自社に求めること、キャリアプランなどを聞き、入社後フォローを怠らないようにする必要があるでしょう。
新卒以上、中途採用未満のスキル
一般的に第二新卒には、新卒以上に基礎的なビジネスマナーなどは備わっているものの、中途採用者ほどの業務経験やスキル、知識は少ないため、残念ながら即戦力としての活躍は期待できません。
即戦力としての期待をあまりせず、前職での経験やスキルをベースに育てていくつもりで採用することが望ましいでしょう。
第二新卒の採用時の注意点
第二新卒を採用し、入社後に継続して活躍してもらうためにも、企業は以下の点に注意しましょう。
退職の理由
第二新卒採用のデメリットでも挙げましたが、第二新卒に対して「すぐに辞めてしまうのではないか」と心配してしまうのは当然のことです。この心配を払拭するためにも、採用面接時に退職理由をしっかりと確認します。仕事内容、キャリアプラン、人間関係や職場環境、待遇面など、退職理由はさまざまですが、じっくり話を聞き、応募者を慎重に見極め、入社後のミスマッチを防いでいきましょう。
スキルや経験に応じた人材育成
第二新卒は前職の経験により、一人ひとりの培ったスキルも知識も異なります。もし、一年未満の離職であれば、ほぼ新卒と変わらない場合もあるでしょう。第二新卒に対して先入観を持たずに、面接時に身につけたスキルや経験を詳しく聞き、一人ひとりに応じた人材育成プランを立てて柔軟に対応していくことが必要となるでしょう。
第二新卒は企業を支える柱となりうる!
第二新卒者のうち、実に3割以上の方が転職理由に「仕事内容への不満」をあげています。「スキルアップをしたかった」「やりがいのある仕事をしたかった」など、前職との仕事内容のミスマッチから転職を考えるのですから、むしろ意欲的に仕事へやりがいを求めて再就職を志す人材です。
ミスマッチを防ぐことができれば、第二新卒は企業にとって魅力的な人材といえるでしょう。自社の求める人材を確保するためにも、「第二新卒」は新たな採用ターゲットとして最適ではないでしょうか。