不採用通知で企業イメージアップ!今後につなげたい応募者への対応
2022-10-24
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用新卒採用
「不採用通知」とは
「不採用通知」とは、書類選考や面接などの後に応募者に対して不合格、不採用になったことを伝える通知のことです。
手紙やメールなどで伝えられることが多く、人事・採用担当者の方は、送る機会も多いことでしょう。
中には、この通知を出すのに心理的な負担を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん「合格者にだけ送る」と取り決めしている企業もあるかもしれません。
しかし「不採用通知」を応募者に送ることは企業のメリットにもつながるのです。
そこでこちらのページでは「不採用通知」について解説していきましょう。
不採用通知を送るメリット
そもそも、不採用であっても通知を送ることは応募者に対する企業側の誠意でもあります。
企業側のメリットとしてあえて挙げるならば、
- 自社を選び、選考を受けてくれたことに対する感謝を表すことができる
- 通知後、応募者との接点があった際に良い方向につながる可能性がある
- 通知の内容が適切なものであれば、企業評価の向上につながる可能性がある
などが挙がるでしょう。
不採用となった応募者から悪いイメージを持たれないようにすることは、今後、不採用の応募者やその関係者と関わることになった場合のリスクヘッジにもなります。
不採用通知を送ることは、企業イメージをダウンさせないという意味でも有効なのです。
不採用通知を送る手段は?
不採用通知は電話でしょうか?
手紙、メールで伝えていますか?
一昔前は手紙を介した書面での不採用通知が一般的でしたが、最近ではメールが多く利用されるようになりました。
しかし、すべてがメールでの通知ではなく、一般的には不採用通知に関してはメール、選考通過連絡や次回の選考予定はメールのほかに電話や手紙も多用されています。
そして内定連絡は電話で一報があり、手紙かメールで内容が残されるパターンが多いようです。
選考の段階や不採用通知を送る応募者の人数も、企業によってさまざまです。
「これでなくてはいけない」という決まりはありませんが、電話では記録が残りにくく、「言った。言わない。」となりかねないので、文書の残るメールや手紙がおすすめです。
また、現在は個人メールアドレスを持つことは当たり前、という時代になり、業務の負担や、通知のスピード感を考えた場合はメールを活用することが良いかもしれません。
不採用通知の内容
不採用通知には何を書けばいいのでしょうか。
不採用通知は会社を代表して送るものですから、応募者に対して失礼のないようきちんと内容を整える必要があります。
ここでは内容についてポイントを絞ってお伝えしましょう。
不採用通知では基本的な手紙で使われる時候の挨拶は不要です。
そのため、導入としてはまず自社を選び、採用選考に応募してもらったことへのお礼を伝えましょう。
そして、選考の段階に応じたお礼も加えます。
【例】
- 書類選考を終えての不採用通知
書類を送ってもらったことへの謝意
- 採用試験(筆記試験・面接)を終えての不採用通知
試験・面接会場まで足を運んでもらったことへの謝意
ここで「不採用」という選考結果を伝えるわけですが、わかりにくい表現は避けつつも、控えめに分かりやすく書くことが望ましいです。
【例】
- 今回は採用を見合わせて頂くこととなりました
- 今回の採用は見送らせて頂くことになりました。
- ご期待に添えない結果となりました。
また、応募書類として受け取った履歴書や職務経歴書などの返送をする場合は不採用通知と一緒に送ると良いでしょう。
もし、不採用通知だけを先に送る場合は「応募書類などは、追って返送します」などと、一言添えておくと応募者も安心します。
応募者が多い場合や書類の返送まで対応しきれない場合は、「自社で責任をもって破棄します」などと伝えることを忘れないようにしましょう。
不採用通知を送るタイミング
応募者は早い通知を待っています。
そのため、不採用通知は選考が終わり次第、できるだけ早く送ることが望ましいです。
採用、不採用に関わらず、一日でも早い通知を行うことで応募者に寄り添いましょう。
できれば選考終了後には、結果の連絡がいつ頃になるか、おおよその期日を伝えておくと応募者の印象も変わると思います。
不採用通知メールのポイント
ここでは多用されるようになったメールでの不採用通知を例に挙げ、送る際に注意したいポイントをまとめてお伝えしましょう。
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【メール例】
件名:≪○次選考の通知≫△△株式会社
〇〇〇〇様
△△株式会社、採用担当の△△と申します。
この度は数ある企業の中から弊社へご応募いただき、誠にありがとうございました。
また、先日はお忙しい中、弊社までご足労いただき、重ねてお礼申し上げます。
さて、〇〇様との面接を踏まえ、社内で慎重に検討しましたところ、
誠に残念ではございますが、ご期待に添えない結果となりました。
せっかくご応募いただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。
なお、お預かりした応募書類に関しましては、弊社にて責任を持って破棄させていただきます。
メールにて大変失礼とは存じますが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
末筆になりますが、貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。
△△株式会社
採用担当△△
会社住所:東京都〇〇〇〇区〇〇 0-0-0
会社TEL:000-0000-0000
</白枠>
- メールタイトルで結果の通知であることがはっきりわかるようにする
- 応募者名は正確に、フルネームで書く
- 文章では遠回しな表現を避けつつ、低姿勢すぎない
不採用通知は応募者や企業によって内容が変わるものではありません。
手紙用、メール用など最低限のテンプレートを作っておき、適宜、編集しながら使ってみてはいかがでしょうか。
不採用通知は自社の将来に結びつく可能性もある
採用活動において、不採用通知は義務ではありません。
しかし、応募者の気持ちに寄り添った「不採用通知」を送ることができれば、企業評価の向上にもつながります。
また、不採用となった応募者ともどこかで結びついたときには、自社の採用活動、事業活動なども左右する場合があります。
ぜひ、不採用通知の有無、送る場合は通知内容などを見直し、応募者に対して適切な通知ができるように準備しておきましょう。