圧迫面接は企業評価を下げる!圧迫面接をやめるべき理由を解説
2022-10-19
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用その他
圧迫面接とは
「圧迫面接」とは、採用面接で応募者に対して故意に意地悪な態度や否定的な対応、威圧的な内容の質問、反論をする面接のことをいいます。
人事担当の方は「圧迫面接」についてどのような考えをお持ちですか。
新卒者の採用時によく耳にする言葉ですが、実際に自身が圧迫面接を受けたことがある方や、面接官として圧迫面接を行った方もいるかもしれません。
近年ではコンプライアンス意識の高まりもあり、圧迫面接を行う企業は少なくなっていますが、応募者の受け取り方次第ではあなたの会社も圧迫面接を行う企業として認識されているかもしれません。
こちらのページでは、企業が圧迫面接を行う意味、学生が面接時に受けた圧迫面接の事例や圧迫面接をやめた方が良い理由についてご紹介します。
圧迫面接を行う意味や目的は?
圧迫面接を行う企業は、どのような意味や目的をもって圧迫面接を行うのでしょうか。
主に新卒採用で行われる圧迫面接は、まだ学生、もしくは社会人経験の浅い応募者に対し、社会人として必要となる
ストレス耐性
冷静な思考力・対応力
コミュニケーション能力
を確認し、本音を引き出すという目的をもって行われています。
一般的な質問だけでは面接問答集などで事前に準備ができてしまい、面接官は面接時の受け答えが応募者の本音なのか、覚えてきた回答なのかを判断することができません。
そのため、事前に準備できないような質問や、コミュニケーションをとりにくい状況を作り出し、応募者の本音を引き出そうとしているのです。
圧迫面接の事例
受けた面接が圧迫面接かどうかの判断は、応募者の受け取り方によるところが多く、企業が圧迫面接をしたつもりがなくても、面接官の受け答え次第では圧迫面接と感じさせてしまう場合もあります。
ここではどのような面接が応募者から圧迫面接だと受け取られたのか、応募者が経験した圧迫面接の事例としていくつか挙げておきましょう。
経歴や志望動機などを否定する
- 「あなたの経歴では、うちの会社で通用しない(役に立たない)」と言われた。
- 「志望動機が当たり前すぎて話にならない」と一蹴された。
- 「他の会社でも同じことを言っているのでは?」と志望動機の使い回しを疑われた。
入社希望を否定する(他社を勧める)
- 「うちの会社じゃなくてもいいんじゃないの?」と言われた。
- 「〇〇会社(ライバル会社)の方が向いているよ」と言われた。
- 第一志望と伝えたら「本当に?」と確認された。
応募者の回答をすべて否定、反論する
- 「それ以外にないの?」「ほかには?」と、答えても、答えても他の答えを聞かれた。
- 質問に答えても「共感できない」「それって違うんじゃない」と、必ず反論された。
- 自分の長所や性格についても「そんな風には見えない」などと否定された。
「なぜ」「どうして」と質問攻めにする
- こちらの回答に対して、質問が重ねられて何度も同じことを聞かれた。
- 「どうして」「どうして」と、どこまでも聞かれて怖くなった。
応募者の回答に対して無反応
- 無表情で質問され、質問に答えても「ふーん」とだけしか返されなかった。
- チェックシートに書き込んでいるだけで、答えても反応してくれなかった。
面接官の態度が悪い
- ずっと下を向いていてこっちを見てくれなかった。
- 否定や反論が怒鳴り口調で怖かった。
- ペンでこちらを指すなど、横柄な態度だった。
- 面接中、面接官のマナーがずっと悪かった。
圧迫面接はやめるべき!その理由は?
一昔前までは、圧迫面接は多くの企業で行われてきました。
しかし、コンプライアンスへの問題意識や面接に対する価値観の変化などから、「圧迫面接はやめるべきである」という意見が多くなっています。
具体的に企業が圧迫面接をやめるべき理由、やめたほうがいいのはなぜなのか、を解説していきましょう。
企業イメージに悪影響を与える
SNSの広がりが大きい近年、圧迫面接を受けた学生からの発信で、影響を受けた企業は少なくありません。
どのような面接を受けたのかを応募者が拡散すれば、全く関係のない第三者にも「圧迫面接をする企業」として認識され、企業の信用や評判はマイナスに働くことは間違いないでしょう。
また、現在では企業格付けサイト、就職活動生の口コミサイトなども多数存在しています。
採用に関する情報へ多くの人が簡単にアクセスできる環境は、企業イメージを良くも悪くもスピーディーに上げ下げできるのです。
優秀な人材を獲得するチャンスを逃す
圧迫面接は応募者の本音を引き出すのが目的とお伝えしました。
しかし、圧迫面接において緊張状態になった応募者は、普段通りの姿を出すことができない可能性が高いです。
また、第一志望であっても圧迫面接を受けたことにより、志望度が下がってしまったり、選考辞退をしてしまったりする場合もありうるでしょう。
仮に内定を出すことができても、圧迫面接を受けたことにより応募者が他社へと心が動く可能性も考えられます。
行政指導の対象となる可能性がある
採用活動において、「基本的人権を尊重した公正な採用選考」を行うことが求められており、
行き過ぎた圧迫面接の内容によっては法律に触れる可能性や、行政指導の対象になる可能性もあります。
行政指導を受けるような事態になった場合、採用活動どころではなく、企業としての存続も危うい状態になってしまうでしょう。
圧迫面接と受け取られないように
近年の採用市場は応募者側が有利な売り手市場です。
大手企業から中小企業まで、さまざまな企業が求職者を取り合う状況の中で、企業優位のポジションで行う圧迫面接は時代にもそぐわず、圧迫面接を行うことは企業にとってマイナスの要素しかないでしょう。
もし企業側に圧迫面接をしている認識がなくても、応募者が圧迫面接だと受け止めた場合は企業にとってマイナスに作用してしまいます。
実際、圧迫面接が少なくなったと言いつつも、就職活動中の学生や転職者の中には圧迫面接を受けたという方が多数います。
企業は圧迫面接だととらえられないように、面接には細心の注意を払って臨むようにしましょう。