リファラル採用のメリット・デメリットとは?成功のためのポイントも紹介!
2022-09-14
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用中途採用
リファラル採用の定義とは
欲しい人材の採用に行き詰ってはいませんか?
今回お伝えする「リファラル採用」は、企業をよく知る社員に人材を紹介してもらう採用手法のことで、「リファラル・リクルーティング」ともいわれます。
すでに欧米ではターゲット人材の獲得に重要な役割を果たしている採用方法であり、日本企業からも注目されている採用方法の1つです。
「リファラル採用」とはどのような採用方法か、メリット・デメリット、採用を成功させるポイントについて紹介していきましょう。
リファラル採用が導入される理由
リファラル採用が導入されるようになった理由として
- 採用人材の定着化
- 人材市場の売り手市場化
が挙げられます。
リファラル採用はリクルーターが企業をよく理解した社員であるため、企業にマッチした人材を見つけることができます。採用後も定着してくれることが期待できるため、導入が加速したと考えられるでしょう。
また、採用活動が困難になる中で、応募を待つだけでは要件に合う人材は確保できません。その結果、企業自らが人材に働きかける「ダイレクト・リクルーティング」の一環としてリファラル採用が導入するようになったと考えられます。
リファラル採用と縁故採用はどう違う?
「リファラル採用」も「縁故採用」も、社員のつながりによる紹介採用という考え方の点では同じでしょう。しかし、大きく違うのは採用に関するイメージです。
「縁故採用」は血縁関係や特別なつながりを持つ人材の裏口入社的な、いわゆる「コネ」というネガティブイメージが定着しています。そして、そこに個人の能力やスキルはあまり反映されていないようです。
一方の「リファラル採用」は自社社員の紹介ではあるものの、明確な採用基準が設けられています。基準を満たした者のみの採用であるため、ネガティブなイメージがあまりないのです。
リファラル採用がもたらすメリット・デメリット
リファラル採用のメリット
リファラル採用を導入することで企業が得られるメリットとして以下の4つをご紹介します。
採用コストの削減
リファラル採用は自社社員の人間関係から人材を探します。人材紹介会社への紹介手数料や求人媒体への広告掲載費用など、外部への費用がかからないため、採用コストを抑えて採用できます。
ただし、社員からの人材紹介を促すために、紹介報酬制度などを設けている企業も少なくはありません。社員への報酬金額は企業によりますが、それでも従来かかっていた採用コストよりもコストは抑えられるようです。
採用のミスマッチ予防
自社の求める人材を理解した自社社員による紹介のため、採用のミスマッチが起こりにくいメリットがあります。さらに社員から、事前に企業理念や職場の雰囲気、仕事内容などの情報を得たうえで入社するため、入社後のミスマッチも防ぐこともできます。
転職潜在層へのアプローチ
転職について考えていなくても、「チャンスがあれば」「良い会社があれば」という潜在的な転職希望者は意外といるものです。自社社員が潜在層へのアプローチを行う人材となれば、他社との競合なく、欲しい人材を採用することも可能でしょう。
自社社員のエンゲージメント向上
自社社員が採用担当としての役割を担っているのが「リファラル採用」です。よって社員自身が企業について考え、自社の魅力について語ること、自分自身のキャリアや企業の将来像などを見直すきっかけとなり、エンゲージメントの向上につながります。
リファラル採用のデメリット
リファラル採用を導入することで企業が注意しなくてはならないデメリットとして、以下の4つをご紹介します。
採用時・不採用時の人間関係に配慮
リファラル採用の手法上、紹介した社員と紹介された人材との人間関係に配慮が必要となります。採用となった場合は、職場での公私混同が起きないように両者が注意しなくてはなりませんし、企業としても人員配置を適切に行う必要があるでしょう。もし不採用となった場合は、友人関係に影響を及ぼすことも考えられます。
デリケートな問題ではありますが、これらの点をクリアにしなくては社員が人材の紹介を躊躇する原因にもなりかねないでしょう。
可視化しにくい採用状況
リファラル採用は多数の社員、さまざまな部署の社員が関わることになります。そのため、どの社員が人材紹介にどれだけ貢献したのか、どの程度、協力的に活動したかを把握しづらいデメリットがあります。採用に関する情報を企業側がしっかりと把握できるよう、情報の可視化が課題になるでしょう。
採用までのタイムラグ
リファラル採用で紹介された人材が現職であれば、入社のタイミングが難しい場合があります。同様に面接の設定などの際にも、現職の予定が優先される場合があるでしょう。このようなことから、リファラル採用での人材獲得には時間がかかり、入社のタイミングも思い通りにならない可能性が高いというデメリットがあります。
リクルーターとなる社員への教育
リファラル採用はリクルーターの役割を社員が担います。しかし、採用活動の経験がない社員では、企業の求める人材とは異なる人材を紹介してしまうことも考えられます。円滑なリファラル採用を行うためにも、社員にリクルーターとしての教育を行い、人材のミスマッチが起きないようにすることが必要でしょう。
リファラル採用を成功させるためにすべきこと
リファラル採用は自社内で始めることができ、多くのメリットを得ることができるものの、社員の協力なくして実現はできません。
リファラル採用で定期的にターゲット人材を獲得するためにも、社内の制度やルールといった仕組み作りや、リファラル採用についての社内認知度を高めることが必要不可欠でしょう。
特に、社員がリクルーターとして参加しやすい環境作りも大切です。人事担当者が企業紹介の方法をレクチャーしたり、企業紹介動画や会社パンフレットを用意したりするなど、社員が本来の業務に支障なく紹介できるような環境が整っていれば、人材紹介のハードルも下がり、紹介件数も上がることでしょう。
しかし、制度や環境を整え、認知度を高めても、リファラル採用が定着するまでにはある程度の時間が必要です。
リファラル採用を中長期的な取り組みとしてとらえ、これまで行ってきた採用方法も上手く活用しながら、ターゲット人材の獲得につなげていきましょう。