内定辞退を防ぐには?内定辞退が起きる原因と辞退理由、対策ポイントを解説
2022-10-11
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用新卒採用
内定辞退が増加傾向?
「内定辞退されたらどうしよう…」
「無事に入社してくれるだろうか…」
優秀な人材が見つかり内定を出したものの、入社日まで心落ち着かない人事担当者の方も多いことでしょう。
特に近年では新型感染症やオンラインでの就職活動の影響もあり、内定辞退者の割合が増えてしまった企業も少なくはないようです。
ではなぜ、内定辞退が起きてしまうのでしょうか。
内定辞退が起きる原因と辞退者側の理由、内定辞退を防ぐためにできることなどを解説していきましょう。
内定辞退が起きる原因
なぜ内定辞退が起きるのでしょう。
もちろん、辞退者それぞれに理由があるでしょうが、企業側に原因はなかったのでしょうか。
内定を辞退されてしまった企業や人事担当者の経験談から、内定辞退を引き起こした原因を探ってみましょう。
他社と比べて見劣りする点があった
「給与、福利厚生などの待遇面が競合している企業と比べて見劣る点があった」
「自社のメリットアピールが足りなかった」
などの声が聞かれます。
業務内容が満足のいくものであっても、より良好な待遇で迎えてくれる企業があれば、そちらに気持ちが動くのも無理はありません。
また、
「求人票に載せていなかったけど実は…」
「入社したらこんな特典が…」
「将来的にはこんな魅力が…」
など、せっかくのアピールポイントを応募者、内定者へ伝えるチャンスを逃してはいなかったでしょうか。
出し惜しみは後の祭りです。
まずは自社の求人内容や待遇面、アピールポイントなどを競合他社と見比べて、魅力的に映るかどうかを見直ししてみましょう。
採用選考の進行が上手くなかった
「そもそも、選考途中で辞退する応募者がいた」
そうおっしゃる人事担当者の方は、採用活動の進行に問題がなかったかを振り返るべきでしょう。
面接の日程調整、合否連絡、応募者との情報共有などに不備はなかったでしょうか。
また、訪問時の会社の雰囲気や面接官の対応が悪かったり、求職者が不信感を持ったりするような言動はなかったでしょうか。
このようなことがあれば、選考が進むうちに応募者の意欲が下がってしまう可能性もあります。
選考のスピード感と、応募者と企業側のやり取りは選考過程の段階で重要です。
選考途中の辞退は免れても、結果として内定辞退の原因にもなりかねません。
内定後のフォロー体制ができていなかった
内定を出して安心してしまう人事担当者の方はいらっしゃらないでしょうか。
応募者は複数の企業に応募しているものです。
内定を先に出したからといって、「早い者勝ち」というわけでもありません。
内定後から入社までの期間で、希望や優先順位がひっくり返る可能性も十分あります。
この間に内定者とコンスタントにやり取りし、密なコミュニケーションを取ることで入社意欲を持続させ、入社日までの心変わりを防ぐ体制が必要です。
内定辞退の理由
「せっかく内定がでたのに、なぜ内定辞退をしたのだろう…」
企業側、人事担当者は自社の原因を考えるとともに、内定者側の内定辞退理由を知らなければならないでしょう。
その理由を理解することで、内定辞退を防ぐ対策を打ち出しましょう。
他社からの内定
内定辞退の理由で多いのは、「他社から内定をもらったから」ということです。
他社から内定が出ても、自社の方が魅力的であれば他社が内定を辞退された側になったはずです。
残念ながら、どこかの点において魅力負けしてしまったということです。
企業の社風が合わない
応募者は社風を知る機会として、担当者の対応やスタッフの対応などもみています。
「これ」という理由がなくても「なんとなく合わない気がした」「雰囲気が違う」という理由での辞退は少なくありません。
応募者が抱いていた企業の社風にギャップが生まれてしまうと、選考辞退や内定辞退に結びつく可能性が高くなります。
人事担当者や面接官の印象が悪かった
採用活動の顔でもある人事担当者や面接官は、応募者にとっては企業の顔です。
人事担当者や面接官の印象がそのまま企業の印象につながるため、悪い印象を与えてしまうと、それが内定辞退の原因になってしまう場合もあります。
選考や情報のやりとりがスムーズに進まなかった
複数の企業と並行して就職活動を行っている応募者からすれば、もたもたした対応や情報の遅れなどは企業イメージを低下させるのに十分な理由です。
そしてそのような企業よりはスムーズな進行ができる企業の方が働く場として好ましく映ることは否めないでしょう。
内定辞退を防ぐには
上述した内定辞退の原因や理由を振り返り、内定辞退を防ぐために人事担当者は何を注意すればよいのかをまとめましょう。
- 会社への理解を深めるため自社のメリットや課題も伝える
- 応募者の優先順位を把握する
- 応募者の志向や働き方の意向を把握する
- 面接官は応募者の判断基準にされていることを理解する
- 面接日程、結果は早めに連絡する
- 入社までの手続きを素早く行う
- 内定者同士の親睦会や配属先社員との懇親会、社内見学などを行う
- 内定者へのフォロー体制を整え、不安を払しょくできるサポートを行う
最大のポイントは内定後もフォローし続けることです。
特に昨今では内定出しが早まっており、早いうちに内定が出てしまう分、内定者は入社までの間に競合他社を受けることもできれば、競合他社の魅力に揺れることもあるでしょう。またさまざまな情報を収集できることから、入社への心配や不安が出てくるものです。
これらは内定辞退者が増えている原因の一つとも考えられます。
内定者とコンスタントに連絡を取り、入社初日までしっかりとフォローすることで内定辞退を防ぎましょう。
内定辞退を防止し、入社初日を迎えましょう
新卒採用・中途採用を問わず、人材の採用には多くの時間とコストがかかります。
最終選考まで進め、内定を出したにもかかわらず内定辞退をされてしまうと、これまでかけた採用コストは無駄になってしまいます。
人事担当者は内定者が入社する日までしっかりとフォローを行い、競合他社に負けることなく、内定者の入社を迎えましょう。