オファー面談とはなに?内定後辞退者を減らすためにすべきこと
2022-10-25
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
採用その他
オファー面談とは
「オファー面談」とは、内定後に内定者を招き、労働条件や雇用条件などを確認する面談のことをいいます。
企業によっては「処遇面談」、「条件面談」、もしくは「条件提示面談」といわれることもあるでしょう。
オファー面談では企業側と内定者が条件を確認し、双方間で入社の合意が取れれば正式な内定が成立します。
しかし、条件に納得がいかなければ、応募者はこの時点で入社を断ることができるのです。
「オファー面談で内定者に断られてしまう…」
そんな事態は避けたいものですが、オファー面談後に内定者に辞退されてしまうケースがあることもまた事実です。
そこでオファー面談後の辞退者を減らすために採用担当の方ができることについて、ポイントを挙げて解説しましょう。
オファー面談の目的はなに?
オファー面談の目的は労働条件や業務内容などを改めて説明し、内定者に内定承諾をしてもらうことです。
オファー面談での話題は、主に以下の2つです。
- 労働条件や給与のすり合わせ
- 入社前の疑問や不安解消
企業の担当者は内定者からはさまざまな質問が投げかけられたり、入社に対する悩みを打ち明けられたりすることでしょう。
もちろん、選考の段階でも内定者から質問はされていたでしょうが、内定前と内定後では質問の本質が違います。
「こんなことを聞いたら、やる気がないように思われるかもしれない」
「気になるけど、ここで聞いたら落とされてしまうかも…」
など、誰もが内定前は内定欲しさに、選考の場では聞きにくい質問を控えています。
そのため、内定後のオファー面談では選考時に聞きたくても聞けなかった質問や入社に対する不安、悩みなどが出てくるのです。
ある意味、内定をもらったことで応募者として質問するデメリットがなくなり、本当の姿、本音の部分が出てくる場にもなるわけです。
企業側は内定辞退にならないためにも、オファー面談は今まで以上に丁寧でわかりやすい回答と、内定者の本音に向き合う用意が必要でしょう。
オファー面談のフロー
次にオファー面談のフローを確認します。
まず、オファー面談前に企業側は、内定通知書や労働条件を通知する書類などを準備しておきましょう。
労働条件通知書の確認・受け取り
オファー面談では労働条件通知書の内容を確認しながら、内定者からの質問があれば受けていくかたちで進行します。
労働条件通知書は内定後に内定者の現住所に送付する場合と、オファー面談の際に担当者から内定者へ直接渡す場合があります。
できれば内定者とコミュニケーションをとるためにも、オファー面談時に担当者が直接渡すことが望ましいと考えます。
企業側の真摯な態度に、内定の実感が沸いたり、安心感を覚えたりする内定者もいることでしょう。
入社承諾書への署名
内定者、企業側担当者の双方が確認し、労働条件通知書の内容に問題がなければ、内定者はオファー面談後に入社承諾書へ署名を行います。
入社承諾書に署名し、企業側に入社承諾書が渡ることで内定承諾となります。
入社
内定承諾後は入社日を待つのみです。
内定者の入社に向け、準備を整えましょう。
内定辞退される3つの原因
企業は採用活動時から応募者へのフォローを行っていることでしょう。
特に新卒採用であれば、一層慎重に内定者フォローまで行っていることと思います。
しかし、それでも起きてしまうのが「内定辞退」です。
ここでは学生へのリサーチ結果をもとに、内定辞退に至った原因を押さえていきましょう。
内定に重みを感じない
学生が内定辞退する理由の1つとして、内定に対する有り難みや特別感などが薄いことが挙げられます。
特にあっさりと選考を通過し、他企業からも複数の内定をもらっているなど、一社一社の内定に対して学生が有り難みを感じていないケースは、内定を辞退することに対しても躊躇がないようです。
企業側は内定の重みを感じてもらうためにも、どれだけ内定者を理解したうえで内定を出したのか、内定者と働くことを楽しみにしていることなど、誰でも良かったわけではなく「あなた」を選んだのだという熱意を伝えることが必要でしょう。
そして、内定者が選ばれた特別感、選ばれたという重みを感じてもらえるように内定フォローを行い、オファー面談での最後の一押しが重要となるでしょう。
企業の魅力が伝わっていない
内定辞退した学生からは、
「内定をもらったけど魅力を感じなかったから」
「内定が欲しかっただけで、企業自体に興味はなかった」
「内定が欲しかったはずなのに、もらってしまったら興味が失せた」
などの声が聞こえます。
このような声は、複数社から内定をもらっている学生から多く聞かれます。
内定辞退をされてしまう企業は、自社の魅力を存分に伝えきれていたのでしょうか。
仮に伝えていたとしても、学生側に伝わっていたのでしょうか。
自社が学生にとって魅力的であるということをきちんと伝えるチャンスは選考の段階からあります。
採用担当者は内定者が多くの応募者の一人である時から、自社の魅力をアピールできる話題や他社との差別化ができるトークを用意し、応募者の興味を引き続ける企業である努力を続けていきましょう。
オファー面談のタイミングミス
内定後のオファー面談をいつ設定するか、が重要です。
この点は学生の就職活動の状況を把握していないと難しいところですが、オファー面談が企業都合で一方的に設定されたと受け止められるとマイナスです。
自社の内定を出したとはいえ、内定者が競合他社の選考中である場合もあります。
内定者の立場になれば、興味を持っている企業があるにもかかわらず、内定後のオファー面談を急かされては良い気はしません。
最終的に自社を選んでもらうためには、内定者とできる限りコミュニケーションを取りながら、内定後のオファー面談を設定していきましょう。
もちろん、第一志望が自社であるという確信や、自社への志望度が高いと判断した際には、内定後すぐのオファー面談も有効であり、面談の場で内定承諾まで行ってしまいたいところです。
オファー面談を成功させ、内定承諾へ
オファー面談後の辞退者を減らすために、内定者の辞退理由などをお伝えしましたが、担当者の方にとっては採用活動時から押さえておけばカバーできるポイントがほとんどです。
内定後のオファー面談でも内定者と向き合い、本音で語り合える場となれば辞退者を減らすことができるでしょう。
内定は出して終わりではありません。
ぜひ、ポイントを押さえてオファー面談を成功に導き、双方が納得した状態で内定承諾を得ましょう。