福利厚生に追加すべき7種類はコレ!最新トレンドを徹底レポート
2022-09-14
大後 ひろ子
C-OLING代表 ブランディングコンサルタント
労務福利厚生
福利厚生は時代とともにカタチを変え、今では就職・転職活動において「会社選びの重要な指標」となっています。あなたの会社でも、自社の独自性をアピールできるような新たなアイディアを求めているのではないでしょうか? こちらの記事では、法律に縛られずに自由に導入できる「法定外福利厚生」を中心に、人気の福利厚生や代行サービスなどについてご紹介します。会社の規模や従業員の顔ぶれを考慮して、自社にフィットする福利厚生を見つけてください。
福利厚生で人気を集める7つの施策
福利厚生には、法律で企業への対応を定めた「法定福利厚生」、各企業が任意で導入できる「法定外福利厚生」があります。各種保険料の負担など最低限の福利厚生を求めた法定福利厚生に対して、会社のカラーや魅力を存分にアピールできるのが法定外福利厚生です。
ここでは、さまざまな施策を7つのカテゴリーに分けてご紹介します。
1)住宅
住宅関連の福利厚生には、福利厚生費の約半分が支出されています。従業員の住宅補助に関しては、企業によって考え方が大きく異なり、かつては社員寮を用意する企業もありました。最近では、家賃補助のほか会社名義で借り上げた住宅に社員を住まわせる借り上げ社宅が主流となっています。
住宅関連の主な施策
- 住宅手当
- 家賃補助
- 持ち家補助
- 社員寮
- 借り上げ社宅
- 引っ越し代手当 など
2)健康・医療
健康・医療関連の福利厚生は、多くの会社で導入されています。健康に不安があると従業員の休職・退職につながる恐れがあり、労働力や生産性の低下を招きかねません。また、現代のストレス社会においては、体だけでなく心の健康にも配慮する必要があります。
健康・医療関連の主な施策
- 健康診断
- 健康相談
- 人間ドック
- メンタルヘルスケア
- 傷病補助 など
3)育児・介護
育児・介護関連の福利厚生は、少子高齢化が進む日本において注目を集める施策です。育児や介護にまつわる休暇は法律で定められていますが、これに日数を上乗せしたり、男性社員に向けた休暇制度を設けたりする企業もあります。今後はさらに家庭と仕事の両立に向けた支援制度が必要になるでしょう。
育児・介護関連の主な施策
- (法律+αの)育児・介護休暇
- 事業所内託児所の設置
- 男性社員向けの育児支援 など
4)慶弔・災害
慶弔・災害関連の福利厚生は、従業員にお祝いごとや不幸な出来事が起きた際に、従業員とその家族をサポートする制度です。全体の9割以上の企業が導入しているとの報告もあり、最もポピュラーな福利厚生と言えるでしょう。また、慶弔・災害関連の福利厚生は現金支給が多いため、保険制度のような意味合いもあります。
慶弔・災害関連の主な施策
- 傷病(災害)見舞金
- 遺族(遺児)年金
- 結婚祝い金
- 出産祝い金 など
5)休暇・レクリエーション
休暇・レクリエーション関連の福利厚生は、従業員の記念日に休暇を与えたり、忘年会や新年会を開催したりするのが代表的な例です。このほか、有志によるサークル活動の費用負担、休憩所などに無料で利用できる自動販売機を設置するなど、多彩なニーズに応える福利厚生が導入されています。
休暇・レクリエーション関連の主な施策
- 誕生日(結婚記念日)休暇
- スポーツクラブの利用補助
- 社員旅行
- 忘新年会 など
6)自己啓発
自己啓発関連の福利厚生は、仕事のスキルアップや従業員の成長をサポートすることを目的としています。従業員が担当する業務にまつわる資格取得を支援するほか、業務とは直接関係ない場合でもセミナー参加などを積極的に支援する企業が増えています。
自己啓発関連の主な施策
- 資格検定取得支援
- 通信教育などの学習支援
- セミナー費用の補助 など
7)財産形成
財産形成関連の福利厚生で代表的なものは、財形貯蓄制度です。従業員に給与を支払う際、会社が一定の金額を天引きして貯蓄にまわします。年金や住宅購入など、将来の目的にあわせて計画的に積み立てができるため、従業員からのニーズも高いようです。
財産形成関連の主な施策
- 財形貯蓄制度
- 社内預金
- 従業員持ち株制度
- 個人年金に対する補助 など
福利厚生を導入するための2つの方法
「福利厚生」という枠組みの中にもさまざまな種類があり、社内で行うほうが安心なもの・プロに任せたほうがスムーズなケースがあります。
1)社内で管理・運営する
結婚祝いや出産祝いなどの現金給付や家賃補助などの金銭的なやり取りは、規模の小さな企業でも導入しやすい福利厚生と言えます。
自社提供が可能な福利厚生
- 住宅手当
- 家賃補助
- 交通費
- 家族手当
- お祝い金・お見舞金
2)代行サービスを活用する
宿泊や旅行、エンターテイメント系の福利厚生については、専門の代行サービスを利用するのがおすすめです。
福利厚生代行サービスに委託可能な福利厚生
- 宿泊・旅行
- 疾病予防・健康増進
- 自己啓発
- エンタメ
- 財産形成
- スポーツ活動支援
- 育児・介護支援
人気の福利厚生は代行サービスの利用がおすすめ
福利厚生業務を丸ごと委託できる「福利厚生代行サービス」は、すでに多くの企業で採用されています。自社における業務のスリム化やコストパフォーマンスのよさが支持を集める理由です。
福利厚生代行サービスに委託する3つのメリット
福利厚生代行サービスを利用するメリットは下記3点です。
- 業務の効率化(社内担当者の負担軽減・人件費削減できる)
- 充実した内容(多彩な選択肢から自社にフィットするものを選べる)
- スケールメリット(充実した福利厚生制度を低コストで実現できる)
細々した準備や打ち合わせは全て福利厚生代行サービス企業に任せることができるため、社内で福利厚生業務を担当する従業員の負担軽減・生産性向上につながります。また、相手は福利厚生のプロですから、福利厚生の種類・質ともに満足できるサービスを提供してくれるでしょう。大手の代行企業と契約すれば、スケールメリットの恩恵も受けられます。
パッケージプランとは
福利厚生代行サービスの「パッケージプラン」では、あらかじめ用意されたサービスパッケージの中から、従業員が好みのサービスを選んで利用できます。それぞれの従業員が会員登録を行い、会員サイトや専用のカタログなどでサービスを確認し、利用するという流れが一般的です。
サービスパッケージの内容は変更できないため、独自性を打ち出すことはできないものの、幅広いサービスを手軽に利用できる点が人気となっています。
カフェテリアプランとは
福利厚生代行サービスの「カフェテリアプラン」は、代行企業が提供するサービスに独自の制度を組み合わせて、オリジナルの福利厚生制度をつくり上げるプランです。各従業員にはポイントが付与され、それぞれが自分でサービスを選んで利用します。
カスタムメイドの制度となるため、パッケージプランより割高になるものの、利用率と独自性の高い福利厚生制度を目指せます。
福利厚生の内容を見直して、頑張る社員に応えよう!
せっかく福利厚生を導入しても、従業員に利用してもらえなければ意味がありません。もしも利用率が低いサービスがあるならその理由を探り、利用しやすい環境を整備することも大事です。実際に利用する人の声にも耳を傾け、従業員に愛される福利厚生制度をつくりましょう。