ステークホルダー エンゲージメントとは?持続可能な強い企業づくりのために

2022-10-11

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

組織その他

ステークホルダーエンゲージメントとは、利害関係のある全てのステークホルダーの、企業に対する関心や信頼、期待や要望を指します。企業の成長のために、これらのステークホルダーのエンゲージメントを高めることが必要不可欠です。

この記事では、ステークホルダーエンゲージメントの基本的な意味から、企業とステークホルダーの関係性や、向上によるメリットを詳しく解説していきます。

ステークホルダー エンゲージメントとは?

ステークホルダーとの良好な関係は事業者にとって重要な経営資源です。ここではまずは基本的な意味を解説します。

ステークホルダー エンゲージメントの意味

ステークホルダーエンゲージメントとは、利害関係のある全てのステークホルダーの、企業に対する関心や信頼、期待や要望を指します。

また、ステークホルダーエンゲージメントは一方的な意見ではなく、それらの要望を受け取った企業が、事業活動と意思決定プロセスに組織的に組み込む活動を実施することによって成り立ちます。

ステークホルダー エンゲージメントを高めるメリット
 

ステークホルダーエンゲージメントは、事業者の広報手段ではなく、ステークホルダーからの要望や関心事項から得られる様々な意見から、組織の透明性向上・長期的成長に信頼獲得を行うことで、企業成長を目指すことが目的とされています。

会社のポジショニングが明確になる

ステークホルダーエンゲージメントを高めることによって、市場における競合他社のポジショニングを明確にすることができます。事業展開を図る上でも、現状のエンゲージメントを把握することで、今後の戦略立案に迷いがなくなります。

経営課題が明確になる

ステークホルダーエンゲージメントを把握することで、自社を取り巻くマーケットや世界情勢の変化をキャッチしやすくなります。主観的ではなく、第三者視点で自社を見つめ直すステークホルダーエンゲージメントの把握は、今後の経営課題解決の上でもとても有効です。

信頼関係と協働関係を構築できる

ステークホルダーエンゲージメントの把握には、企業からの企業理念や目指しているビジョンの発信が必要です。これらをステークホルダーと共有することで、無理を言いつけるようなステークホルダーは自然と離れていきます。その結果、事業を通じて目指す方向性が近いステークホルダーとの信頼関係を持った質の良い共同関係を構築することができるのです。

業務の革新と品質向上

ステークホルダーエンゲージメントを把握することで、事業活動に影響する情報やトレンド観察といった戦術的ニーズを集めることができます。それらの有益な情報から、今後事業を展開するための新たな課題や必要なイノベーション、組織変革の促進まで、潜在的なニーズを知り、実現までのルートを戦略立てることが可能になります。

ステークホルダーの詳細とそれぞれに異なるアプローチ

それでは企業における利害関係のあるステークホルダーの詳細と、それぞれのエンゲージメントを把握するための様々な施策について解説していきます。

1. お客様

目的

施策

2. 株主・投資家


目的

施策

3. サプライヤー

目的


施策

4. 従業員

目的


施策

5. 地域社会

目的

施策

6. 地球環境

目的

施策

ステークホルダー エンゲージメントが注目される背景
 

ここまで企業の社会的責任の観点から、ステークホルダーエンゲージメントの重要性をお伝えしてきました。ではこれほどまでにステークホルダーエンゲージメントが注目されるようになった背景について解説します。

素早いフィードバック

ステークホルダーエンゲージメントが高い企業は、フィードバックを直接受けられるようになります。それは商品サービスの売上利益の増加だけではなく、感謝の意を直接いただく機会にも恵まれます。

また反対に悪いフィードバックも、ネットへの書き込みや周囲に噂を流すのではなく、直接企業に持ちかけられるので、素早く改善への施策を講じることができるのです。

このようにステークホルダーから素早いフィードバックが受けられることは、結果的に業務や商品・サービスの改善につながり、事業拡大への大きな資産になるのです。

CSR課題への取り組み

企業は各ステークホルダーに対してエンゲージメントを高める活動を実施することで、企業に向けられたニーズを経営に反映するのと同時に、自社のCSR活動としてPRにつなげることも可能です。

企業のPRを通して、ステークホルダーと接触回数を増やすことで、企業への理解や関心が高まります。その結果より良好な信頼関係を構築することができるのです。

企業のブランド力向上

ステークホルダーエンゲージメントを高めることは、企業ブランディングの視点からも重要です。一人の顧客のネット上でのクチコミもデジタル上で消えない「デジタルタトゥー」になってしまう現代です。開発された商品やサービスの根底にある、企業の目指すビジョンをステークホルダーと共有することができれば、良好な信頼関係を結べる顧客や株主、従業員や取引先が自然と集まる風土を醸成することができるのです。

まとめ 

このように、ステークホルダー・エンゲージメントには各ステークホルダーに対する様々な活動が含まれています。

ステークホルダーエンゲージメントを積み重ねることによって、各ステークホルダーとの関係性を強化することができます。その結果、利益追求だけにとどまらない、持続可能な真の企業価値の創造が可能になります。

これからの企業活動は、目の前の商品やサービスの向上だけにとどまりません。ステークホルダーエンゲージメントを把握することで、自社の社会的責任を再確認し、事業の確実で安定した成長につなげていきましょう。


 

WRITER

大後 裕子

C-OLING代表

生活用品メーカーで10年間企画職に従事し、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、多くの商品をブランディングし、リリース。 8年販売され続けるヒット商品を始め、開発商品点数累計約1,200点、約1,700店舗へ導入。ブランディングを主軸とした、経営コンサルティング、 社内教育の3つの事業を通して、多くの人の生活に豊かさを提供ができる企業を社会に増やしたいと考えています。