企業成長のカギは組織力!社員エンゲージメントの高い企業の特徴と施策を紹介

2022-09-28

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

組織組織開発

組織・組織力の定義

この記事は中小企業にとって重要な「組織力の強化」について書かれています。従業員のエンゲージメントを高め、組織を強くするための基礎知識と自社に取り入れるための実際の施策方法についてぜひ参考にしてください。

経営者やチームマネージャーなどのビジネスリーダーにとって、同じ組織にいるはずの従業員の行動がバラバラであったり、モチベーションに差があっては企業を維持していくことは難しいですよね。
そこで重要なのが「組織力」です。社員個々の能力ではなく、文字通り組織の力を指します。早速中小企業が目指すべき強い組織の姿についてお話しします。

そもそも組織とは?

ビジネスにおける組織とは、英語で(organization)と表記します。ある目的を達成するために、専門分化した役割を持つ諸個人または、諸集団から構成される集団の全体を指します。

上記の通り、「組織」とは特定の目的を達成するためにそれぞれが役割を持って活動する仕組みです。ただ単に個々の人やモノが集まった状態ではなく、専門の役割を割り振られ、目的を達成する集団全体を組織と呼びます。

組織力とチームワークの違い

では組織の力である「組織力」とはなんでしょう。

一つの組織に参加・結集させる能力。また、組織全体として発揮する大きな力。
https://www.weblio.jp/content/

またチームワークとの違いも覚えておきましょう。
チームワークとは、文字通りチームでの共同動作を指します。そして連帯して一つのことを行うチームワークでは、絆やコミュニケーション能力を求められます。

ただし、チームワークだけでは自分たちが向かうべき方向がわからず、成長が止まってしまいます。そこで組織力が重要になります。組織としての向かう先を示し、必要な役割やスキルが明確になり目的達成へと取り組める仕組みこそが「組織力」なのです。

エンゲージメントを高めるには組織力が必要

そもそも従業員エンゲージメントとは、従業員の企業への愛着や思い入れを指し、企業と従業員の絆を深めながら互いに成長することを目指すものです。

企業の成長には従業員の成長が欠かせません。しかし、どんなにモチベーションの高い従業員が所属していても、企業が将来のビジョンや事業の目的を示さなくては、従業員はバラバラの方向へ向かっていってしまいます。

組織力を高めるには?

従業員は、示された企業の目的の方向に向かって各々の能力を高めることで「自己評価」「会社からの評価」の両方を実感しながら成長を遂げられます。その結果、自己満足度と組織的スキルの高いチームを作ることができ、組織力の強い企業を構成することができるのです。

組織力の高い企業の4つの特徴

組織力が高い企業には共通する4つのポイントがあります。

1. 経営トップにリーダーシップがある
2. 企業と社員が同じベクトルを向いている
3. 経営層・管理職・従業員間のコミュニケーションが活発
4. 個人の能力が活かせる人事配置をされている

1つずつ詳しく紹介をするので、あなたの会社の現状と比較してみましょう。

3-1. 経営トップにリーダーシップがある

リーダーシップには下記の力が求められます。

ピーター・ドラッカーが提唱したリーダーシップ論では、リーダーとはカリスマ性とは関係がなく、人々が自らの意思で「つき従う」ことだとしています。また、リーダーシップについて「仕事・責任・信頼」という言葉を使って定義づけています。

つまり、リーダーシップとは「信頼」と言えるでしょう。
経営トップはリーダーとして、日々の仕事を通して達成するべきビジョンを常に共有し、的確に優先順位をつけ、物事に真摯に向き合うことで、従業員から信頼を得る存在を目指すべきと言えます。

3-2. 企業と社員が同じベクトルを向いている

高い組織力を持つ企業では、必ずと言っていいほど企業と従業員が同じベクトルを向いています。なぜなら同じベクトルを向いて仕事をするということは、経営戦略・事業計画を達成するための業務を行い、目的とブレずに成果を得ることができるからです。組織全体で問題解決へ取り組み、喜びを分かち合うことができることで、組織力をさらに高めていくことができるのです。

3-3. 経営層・管理職・従業員間のコミュニケーションが活発

ポジションに関係なく活発にコミュニケーションが取れている会社は、組織全体での信頼関係を構築することが可能です。自らの意見を発しやすく、主体的に考え行動ができる環境では、チームの目的意識が高まります。その結果、同じ方向へ団結して進んでいく環境が生まれるのです。企業力の高い組織には風通しの良いコミュニケーションが不可欠と言えるでしょう。

3-4. 個人の能力が活かせる人事配置・評価制度をしている

企業の成長には従業員の人材育成も欠かせません。しかし個々の趣向や管理職の判断だけでは、企業の求める方向性とズレが生じてしまう可能性があります。そこで組織力の高い企業では、目的達成の方向に沿った、スキルアップ支援や評価制度が正しく適用されています。同じ目的の達成を目指す組織だからこそ、事業拡大・従業員エンゲージメントの両方に効果的な働き方を実現することができるのです。

社員のエンゲージメントを高める方法 

では、組織力強化のため、従業員のエンゲージメントを高めるためのポイントについて紹介します。大きく分けて3つのステップがあるので、まずあなたの会社がどのステージにいるのかを確認してみましょう。

4-1.従業員エンゲージメントのステージを知る

従業員のエンゲージメントの高さを知るには、ヒアリングを実施する必要があります。その時に特にヒアリングしたいのが、「満足度」「期待度」です。

ここで重要なことは、従業員の日々の業務や業務環境に関する現在の「満足度」を確認することではありません。自社や自らの今後の仕事に関する「期待度」を合わせて確認することです。不満からは自社の弱点を知ることができ、期待度が低い場合は、社内へのビジョンの共有不足を知ることができます。

4-2. 期待度の低さ・無関心の解消

まず従業員が自社に寄せる期待度が低い場合は、自社のビジョンや事業の価値が伝わっていない状態です。従業員が事業の目的達成を自分ごととして捉えられるよう、ビジョンや顧客の抱える課題を共有する習慣を作りましょう。そうすることで自社の事業・自分の仕事に対して「意義」を感じることができるようになります。

4-3.満足度の低さ・不満の解消

満足度が低い理由は2つあります。1つ目は「リソースの不足」2つ目は「役不足」です。リソースの不足に関しては、人材不足による業務過多や、仕事道具などの経年劣化など、業務を行うためのリソースが正しく分配されていない状態です。
2つ目の「役不足」に関しては、従業員にとっては「自分の力が会社から評価されていない」と感じています。この場合は従業員の力量を見極め、今より裁量権が大きい業務を任せるか否か経営判断を行うことが必要です。

まとめ

経営をしていく中で目まぐるしく環境変化が起きる現代だからこそ、効率的な組織力が企業成長のカギとなります。同じ目的を共に達成する集団として、日々のコミュニケーションや人事評価を行なっていくことによって、従業員同士が足りない部分を補い合いながら、それぞれの専門性を高め合うことができます。その結果、従業員の高いエンゲージメントと組織力を実現することができます。

ぜひ、今回ご紹介した社員エンゲージメントの高い企業の特徴と施策を生かして、組織力を高め、スピーディな企業を成長に繋げていきましょう。

WRITER

大後 裕子

C-OLING代表

生活用品メーカーで10年間企画職に従事し、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、多くの商品をブランディングし、リリース。 8年販売され続けるヒット商品を始め、開発商品点数累計約1,200点、約1,700店舗へ導入。ブランディングを主軸とした、経営コンサルティング、 社内教育の3つの事業を通して、多くの人の生活に豊かさを提供ができる企業を社会に増やしたいと考えています。