知っておきたい内定式の基礎知識。有意義な内定式で内定辞退を回避!

2022-10-18

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

採用新卒採用

内定式とは

「内定式」とは、内定が決まった入社前の人材と社内の関係者が集まって行うセレモニーのことです。
特に新卒学生を集めて行うケースが多く、自社の役員、社員の紹介や内定者同士の顔合わせを行います。
最終的な入社意思の確認のための式ですが、内定者フォローの一つとしても重要な意味を持つイベントともいえるでしょう。
というのも、内定式の内容次第で内定者の就労意識を高めることもできれば、内定辞退に結び付く恐れもあるからです。

そこでこちらでは、内定式の基礎知識として一般的な内定式の内容や、内定式を行うことで起きるメリット・デメリット、内定式に出席した内定者の声などをまとめてご紹介します。

一般的な内定式の内容

内定式のプログラムは企業によるところがありますが、一般的には

開会の言葉
社長や役員の紹介と挨拶
各部門長の紹介と挨拶
内定証書の授与
内定者の答辞
閉会の言葉

でしょう。
また、閉会式後に立食形式の内定者懇親会や社員とのレクリエーション交流、入社前研修など、企業によって多種多様なプログラムが組まれています。

もちろん、内定式のメインは「内定通知書の授与」ですが、社長や役員、部門長などと内定者の顔合わせを行い、実際に対面で会話することも、入社後の働くイメージ作りには重要です。
魅力的な内定式によって内定者の心をつかむのはもちろんですが、企業は目的意識をもってプログラムを考え、準備をしましょう。

内定式を行うメリット・デメリット

内定式にはさまざまなメリット、デメリットがあります。
メリット、デメリットをいくつかをピックアップし、ご紹介しましょう。

内定者フォローのチャンス

内定承諾には法的な効力がありません。
つまり、内定式に出席した場合でも内定者が辞退する可能性はゼロではないのです。
そのため、企業は魅力的な内定式を開催することで内定承諾した理由をあらためて思い起こさせ、入社意欲を高めることができます。
内定式は内定辞退を防ぐ、内定者フォローのチャンスともいえるでしょう。

内定者の入社意思を最終確認できる

内定式の出欠により、入社意思の最終確認も可能です。
多くの企業が内定式の開催を10月1日(第1営業日)に行っています。
これは内定者の入社意思を確認するために、各社が同じ日付で実施するという暗黙の理由があるからです。
このため、内定式を欠席した内定者は他社の内定式に出席している可能性が高く、自社を辞退することが予測できるのです。
実際、内定式を境に内定辞退が落ち着く傾向があります。

内定者同士や既存社員との交流ができる

内定式を行うことで、出席した内定者同士が顔を合わせることができます。
内定者同士がコミュニケーションを取り、人間関係を構築することで入社後に向けた同期の絆作りにも役立ちます。
また、同期や既存社員と知り合う機会を設ければ、入社前・入社後の不安が解消され、安心して入社することができるでしょう。

デメリットは

さまざまな負担が生じる

内定式を行う際、企業側にとっても参加者にとっても時間的な面や費用面での負担が生じます。
特に地方在住者は参加するにあたって交通費などがかかりますし、遠方であれば宿泊費などもかかるでしょう。

参加できない内定者へのフォロー

内定式に参加できなかった内定者についても考えるべきでしょう。
参加できなかったことによる心理的な負担は、会社との距離間にも繋がります。
参加した内定者との温度差も広がるため、内定辞退の可能性も否めません。

できるだけ内定者全員が参加できるように、内定式当日の予定を確保してもらうことが大切でしょう。
どうしても参加できない内定者が出た場合は、その後のフォローをお忘れなく。

内定辞退のきっかけになる可能性

内定式自体が内定者の辞退のきっかけになる可能性もあります。
例えば社長や部門長のメッセージや、既存社員、内定者同士とコミュニケーションを取る中で、
「この雰囲気は自分には合わない…」
「会社の雰囲気が思っていたのと違う…」
「ここで働くのはちょっと…」
と感じられてしまうことも無い話ではありません。

ミスマッチを感じたままに入社し、その後、早期離職されるよりは入社前の辞退の方がまだ良いのかもしれません。
しかし、内定式がきっかけであるならば、内定式の内容に問題があったのかも。
くれぐれも内定辞退のきっかけが内定式にならないように、式の内容には気を付けましょう。

内定式に出席した内定者の声

内定式の内容を考える際の参考に、内定式に出席した内定者の声を紹介しましょう。

プラス印象

マイナス印象

内定式を成功させ、入社を確実なものに
 

内定式は、企業にとっても内定者にとっても重要な式となります。
近年は新型感染症の影響のため、内定式を行わないか、オンラインで実施した企業も多かったようです。
しかし、内定者の心を掴み、内定者同士や既存社員が人間関係を築くうえでは、対面でのコミュニケーションの方がおすすめです。
内定式を行う企業は内定者の入社意欲を高め、内定辞退を防ぐためにも、式の準備は入念に行い、内定式のメリットを存分に生かせるようにしましょう。
 

WRITER

麻生さきこ

ライター

キャリアアドバイザーとして求職者のカウンセリングや面接対策、就職セミナーなどに携わり、求職者と企業の双方の立場から就職支援、採用支援を行った経験あり。 個人事業主として開業後は、人材分野のほか、学習・教育分野、医療分野、サブカルチャー関連など幅広いジャンルでの執筆活動、インタビュー取材を多数行う。WEB媒体はもとより、広告、新聞、雑誌など紙面での記事執筆経験あり。硬軟使い分けたコラム、エッセイも得意。