組織作りで強い会社を作る3つの実践方法!急成長する経営者が行うコツとは?

2022-09-07

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

組織組織開発

組織作りとは何か?基礎知識を解説!

事業の成長を目指す経営者にとって「組織づくり」は大きな課題となっています。最近までは「人材育成」という言葉がキーワードになっていましたが、変化の激しい現代社会において、人材一人一人を教育するのではなく、会社全体で効率よくパフォーマンスを上げる「組織づくり」という方法に注目が集まっています。

早速自社も組織づくりを始めたいけれど、何から始めたら良いのかわからないとお悩みの方に向けて、会社が成長する強い組織づくりの共通するコツをお伝えします。

どれも組織づくりに役立つ共通する項目なので、自社で導入する方法を考える際に参考にしてみてください。

そもそも組織作りとは?

企業の成長には社員一人一人の成長が欠かせません。しかし、最近では働き方の変化や価値観のアップデートが進む中で、社員個人個人のやる気やモチベーションにばらつきが目立ちます。また成長速度を埋めるための指導内容も属人的なものが多く、マネージャーや先輩社員による部下への評価ポイントが異なるケースが多く見受けられます。その結果優秀な人材はすぐに離れ、やる気のない社員が会社に残るという悪循環に陥りやすくなっています。

組織づくりは、このような属人的な習慣を見直し、企業を組織として成長させることが目的です。優秀な人材が業績を上げ、会社を成長に導く組織としての仕組みを作ることが重要なのです。

組織づくりの基礎知識

まず、強い組織とはなんでしょうか?経営学者として有名なピーター・ドラッカーは、事業を行うときに経営環境・使命・強みが、現実と一致していることだと残しています。さらにそれらは周知され、絶えず検証されるべきだとうたっています。

そのために組織づくりとして『作るもの』は会社の基礎となる以下の3つです。

  1. 企業理念
  2. 事業と数値計画
  3. 評価システム

組織づくりで強い会社は作れる

組織づくりが注目される理由は大きく3つあります。

社運をも左右しかねない社員の能力向上に対して、一人一人人材育成に励む企業も少なくありません。

しかし、ここで注目したいのは、従来の人材育成と組織づくりではアプローチが異なるということです。

強い組織を作るコツ

組織づくりの目的は、企業の目的に向けて、一番重要なリソースである「人」を動かす仕組みを作ることです。その場その場で、意見が変わる上司や、取引先によって変更されるスタイルでは、社員は安心して成長することができません。
人は自分の持てる裁量権を確認できることで初めて、安心してパフォーマンスを上げることができるのです。

組織づくりの3つの実践方法

ここでは強い組織づくりを行う会社で共通して行っていることを紹介します。3つのうち1つでも欠けていると組織づくりの仕組みがうまく機能しません。また3つ揃っていたとしても、決定したのが5年前や10年前であったり、前経営者のものである場合は現代の働き方や事業スケールと噛み合わない可能性が高いので、内容を確認して修正することも視野に入れましょう。

3-1.企業理念

企業の向かう方向を指し示すのに欠かせないのが企業理念です。なぜなら、企業理念は経営者が頭の中で描いた、漠然とした企業の存在意義を言語化することで、他社と共有できるツールにしたものだからです。

企業理念は下記の3つで構成されています。

企業理念を持つことによって、会社の存在意義を社員全体に共有・周知することが可能になり、バラつきのない組織づくりを始めることができるのです。

3-2.事業と数値計画

企業は理念に基づき事業展開をしていきます。そして社員が事業を推進するのに必要なものは、経営者の事業における数値的目標です。

企業理念で進むべき方向性を示しても、気持ちだけでは達成することはできません。企業は自社が掲げる理念の達成のために、何を・いつまでに・どのように実行に移すのかを数値で示すことが必要です。自社の現状のリソースと社会情勢を受け止め、現実的かつチャレンジングな数値を共有することが、実行力のある強い組織づくりには欠かせないのです。

3-3.評価システム

企業を成長させる事業内容とそのための計画を立てることができたら、実際に社員が事業計画を遂行する仕組みが必要です。そのためには下記の2つを定める必要があります。

自社の事業組織構造

中小企業では、②マトリックス制組織と③チーム制組織のケースが多いのですが、経営者は自社の事業の特性に対して、どの構造が効果的か定めることが重要です。そうすることで、事業遂行に必要な仕組みづくりが可能になります。

人事評価システム

社員の成長速度を減速させるのは、自分の仕事が正しく評価されないと感じた時です。人事評価システムとして、自社が向かうビジョンに対して求めるポジションとスキル、それぞれのステージに合わせた報酬・給与(昇給、賞与)を定める必要があります。属人的な視点の評価ではなく、基準を社員と共有することで、個々の成長を減速させない仕組みを作ることができるのです。

失敗しないための注意すべき3つのポイント

組織づくりは“つくるもの”を作って完了ではありません。これらの仕組みを運用していくことが重要なのです。

4-1.企業風土を作る

組織づくりで多くの会社がつまづくポイントとして、企業風土がうまく育成できないことが挙げられます。

現在のあなたの会社の企業風土はどうでしょうか?社内を見回して考えてみてください。会社独自の雰囲気は商品やサービスを通して、あなたの想像以上に顧客に伝わります。

そこで自社の企業理念を達成できる行動がカギとなります。会社の目指すべきビジョンに向けた行動か明確になることで、行動が習慣化し、企業風土が養われ、強い組織づくりにつながります。

4-2.経営者からのシャワー効果

企業理念や会社のビジョンは、経営者が発信することで初めて、会社全体にシャワーのように降り注ぎ、浸透していくのです。自分は口下手だからと、発信をしないでいてはいつまで経っても強い組織を作ることはできません。社内SNSや朝のミーティングでの講話、またはトイレの張り紙から初めてOKです。社員にとって届きやすい方法を見定め、発信し続けることが重要です。

4-3.自社の事業の特質を理解する

組織づくりは、一度作って完了ではありません。自社の事業の強みに対して、技術や知見を高めていくことは重要です。そして、時代の変化に合わせた顧客の状況を熟知することも欠かせません。

しかし、これらの施策は社員個人にバラつきが出てしまいがちです。そこで会社のミッション(使命)を共有しておくことが有効です。自分たちの仕事が顧客や業界、社会に対してどのような影響をもたらしているのかを会社全体で捉えることで、時代の変化に負けない強い組織づくりができるのです。

まとめ

臨機応変という言葉は聞こえがいいかもしれませんが、企業の向かうビジョンやそのための行動指針をその場その場でツギハギのように決めていくことは、会社の成長にとってとても非効率です。

組織づくりとは企業の目指すビジョンを定め、企業の仕組みをつくり、安定的に成長させる仕掛けです。会社の組織力を高める具体的な実践方法は次の3つです。

  1. 企業理念
  2. 事業と数値計画
  3. 評価システム

また、組織づくりを成功させるために以下の3つのポイントも実践していきましょう。

  1. 企業風土を作る
  2. 経営者からのシャワー効果
  3. 自社の事業の特質を理解する

このように、組織づくりには企業のビジョンや決定事項を作って満足、なだけではなく、実施することが重要です。

さらに組織づくりを通して自社の強みを理解し、社内で共有する文化を実践することができれば、自ずと社外への発信力も高まります。その流れは、事業の急成長にも結びつきます。

変化の激しい時代だからこそ、社員個々の力が組織の力として効率的に発揮できる組織づくりを始めましょう。

WRITER

大後 裕子

C-OLING代表

生活用品メーカーで10年間企画職に従事し、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、多くの商品をブランディングし、リリース。 8年販売され続けるヒット商品を始め、開発商品点数累計約1,200点、約1,700店舗へ導入。ブランディングを主軸とした、経営コンサルティング、 社内教育の3つの事業を通して、多くの人の生活に豊かさを提供ができる企業を社会に増やしたいと考えています。