理想の会社|中小企業の経営者から学ぶ組織づくりと仕事術

高本税理士事務所

INTERVIEW

代表者名

高本和典

所在地

千葉県市川市八幡2-11-13

設立年

1985年

事業内容

  • 専門サービス業
  • 専門事務所
  • コンサルティング業
  • 経営コンサルティング

税の専門家として納税者に代わって申告業務を担う税理士は、法人・個人を問わずさまざまな場面で頼りになる存在。中でも徹底した顧客第一主義の姿勢で支持を集めているのが高本税理士事務所だ。税理士や社会保険労務士などの有資格者が在籍する事務所を率いるのは、柔和な笑顔が印象的な高本氏。より良質なサービスをより適正な顧問料で提供し“三方よし”を目指したいと話す高本氏に、チームとしての強みや進むべき方向性を聞いた。

INTERVIEW

高本税理士事務所所長高本和典

私たちの「会社」BUSINESS

経営体質の強化をサポート、経営課題の発見と克服で小さな会社を大きく育てるお手伝いをいたします

会社の事業内容や設立までの経緯、この分野を選んだ理由をお聞かせください。

高本税理士事務所は、税理士、社会保険労務士などの有資格者を含むスタッフ20名体制で会計や税務のサポートを行っています。法人のお客様については、経理業務の合理化の提案サポートをしながら、小さな会社を大きく育てるという想いでお手伝いをさせていただいています。個人のお客様については確定申告はもちろんのこと、増加している相続のご相談にもファイナンシャルプランニング技能士などを含む5~6人のプロジェクトチームを組んで対応しています。 当事務所を開設したのは1988(昭和63)年、私はまだ27歳で結婚した直後でもありました。税理士の資格を取ったのは24歳のときでしたから、会計事務所で4年ほど働いた後に独立したことになります。私が税理士を目指したのは大学在学中ですが、“独立”という選択肢もあるし、一般的なサラリーマンよりもやりがいが持てそうだという感覚がありました。それでもやはり、開業した当初は自分の若さがマイナスに働かないかと心配になることもあり、とにかく一心不乱に仕事をしていたことをよく覚えています。 幸い、当時は今と比べると税理士の数も少なかったですし、新規法人の設立が多かったり、今よりももっと競争が緩やかだったりといった社会的背景もあって、おかげさまで顧問先様からのご紹介などで多くのお客様とお付き合いさせていただいて今に至っています。2022年現在、顧問を務める法人様は400件超、相続税の申告数は500件を超えるまでになりました。

この仕事や業界の魅力、やりがいをお聞かせください。

開業した頃は、今のように競争が激しくなかったため、平均的なレベルのサービスに高めの報酬を設定するのが当たり前でした。そのことに疑問を感じた私は、他所よりも低い報酬でお客様にご満足いただけるようなサービスをご提供しようと考えました。そしてまずは自分たちの業務を見直して効率化を図り、ほかと比べて安価な報酬額をご提示できるようにしたのです。 その後税理士法改正による報酬額自由化の波もあって、税理士報酬の相場はかなり下がりました。ですから、顧問料の安さという点では当事務所が時代を先取りしていたと言えるかもしれません。最近よく「相続は儲かる」といった内容のDMやメールの案内を見ることがありますがとても違和感を覚えます。私は、相続税申告をマーケット、「儲かるチャンス」とは捉えてはいないのです。 相続財産の資産額ではなく、あくまでも作業量ベースで報酬額を決めている相続税申告なども“お客様のために貢献したい”という想いからなのです。

会社の強みや主力商品の魅力をお聞かせください。

私たちの事務所には現在20名が在籍していますが、税理士、社会保険労務士などの有資格者スタッフがそれぞれに連携し、時にチームとなってお客様をサポートできる点が何よりの強みです。 この10~15年の間、日本の多くの会計事務所は「経理の合理化」に力を注いできました。経理の合理化によって会計事務所側の負担が減ることで、お客様側にとっては顧問料の低廉化につながります。双方がメリットを得られるのですからこれを推進していこうと決めました。お客様の満足度を維持しながらも、クラウドシステムを導入することでコストダウンを図ったり、業界の当たり前を見直したりしてきました。たとえば以前は主流だった“巡回監査”をやめて会計事務所の手間を減らせば、お客様側も支払う報酬が下がり喜んでいただけるならメリットのほうが大きいでしょう。 その方向に舵を切り徹底したことが転換期となって顧問先がグンと増え始めたように思います。

経営者の心に残ったエピソードEPISODE

税理士の社会的役割を踏まえ営利主眼の行為を慎むことを事務所運営の基本方針としています

今まで会社を経営してきた中で、心に強く残っているエピソードをお聞かせください。

エピソードではありませんが、よくあるケースのお話です。お父様が亡くなられた後で、お子さん方が少しでも多くの遺産をお母様に差し上げたいとご希望になるパターンです。お子さん方からすれば残された母親を思ってのことでしょうが、母親が財産を持ち過ぎると最終的には家族全体の財産として損をする場合が往々にしてあります。二次相続時に払わなければならない税金が増えてしまうからです。そうならないように相続のオプションソフトの機能を活用し、二次相続や三次相続など将来の税負担まで考慮した上で最適な遺産配分をご提案しています。相続税申告も作業量ベースで報酬を決めると言いましたが、これには難点がひとつあります。相続税申告が完了しないと最終的な報酬の請求金額をご提示できないことです。これについては事前に丁寧に説明するように心がけています。すべてが終わり請求金額をお伝えすると事前の概算額より下回ることもしばしばで、たいていのお客様は驚かれます。

私たちの「ビジョン」VISION

顧問先様、従業員そして事務所の3つの満足がバランスよくかみ合った“三方よし”を目指します

あなたの会社の仕事で、どのような社会を実現していきたいですか?

利益第一主義の時代から顧客第一主義が主流になり、現在は従業員第一主義へと変わってきているように思います。会計事務所のみならず、一般企業も“働きやすい職場づくり”や“やりがいのある仕事の創造”といった方向に動いているのではないでしょうか。 そのような働きがいのある社内風土を醸成していくことがこれからの経営者の役割ではないかと考えます。私自身、「この事務所で長く働き続けたい」と思ってもらえるような組織づくり、環境づくりに尽力しています。働きやすい環境があり、一緒に楽しく仕事ができる仲間がいれば、スタッフ一人ひとりの満足度が上がり、定着率もアップします。そうすれば自然とサービスの質が上がって、お客様にも喜んでいただけるでしょう。スタッフやお客様に満足してもらって、事務所の経営も安定するという3つの要素がバランスよく調和した“三方よし”を実現することが今の目標です。

私たちの「SDGs」SDGs

より良質のサービスをより適正な顧問料で提供し、その結果として地域社会へ貢献することのできる組織でありたいと強く願っています

SDGsの取り組みについてお聞かせください。

・私たちは、誠意と利他の精神を持って顧問先企業に向き合い、その成長発展に貢献することを目指します。 ・私たちは、感謝の心と信頼の絆を大切にし、生き生きと働くことのできる事務所作りを目指します。 ・私たちは、主体性と向上心を持ち、人の役に立つことに喜びを感じられる人間になることを目指します。 この経営理念を根本に、トップである私は環境整備に努めてまいります。 税理士資格取得だけでなく、その他資格や目標に挑戦する所員を支援します。経理の合理化による業務時間の短縮化をはかることで、所員ひとりひとりがいきいきと働けるよう柔軟な勤務形態を用意しワークライフバランスを実現しています。 わたしたちはこれからも顧問先様に寄り添い、皆様に喜ばれる仕事をすることができ地域社会へ貢献することのできる事務所でありたいと強く念じています。

私たちの「チーム作り」TEAM

従業員の働きやすい環境づくりの取り組みは顧問先への良質なサービス提供につながっていると思います

スタッフの成長をサポートする取り組み、能力を引き出すために工夫していることをお聞かせください。

私たちの事務所では、税理士資格や社会保険労務士資格、ファイナンシャルプランナー資格両立支援コーディネーターなど働きながら資格取得した所員も複数います。そして、今も資格取得のため仕事と家事の合間に時間を割いて勉強している所員もいて、そういった資格だけに限らず自分自身の成長のために努力している人を大切にしています。 仕事の負担を軽くしたり、勉強のために休みやすい雰囲気づくりや協力できる体制を整えています。自主的に学べる人がいれば「勉強してみたいけど」となかなかはじめの一歩を踏み出せない人もいます。そんな所員のために事務所で教材を購入し皆で共有することで、同じ方向を向いて頑張ってる仲間がいれば、それまで踏み出せなかった一歩が出しやすくなるのではと考えました。オンラインセミナーなどにも多くの所員が自主的に参加し、知識を身につけるため努力してくれています。

もしも自分自身が会社の社員だったら、会社に期待することは何ですか?

「相思相愛」 社員からの想いとして「どんな事があっても、いつまでもこの会社で働き続けたい」一方、会社からの想いとして「この人にはいつまでも働き続けてほしい」といった相思相愛の関係が築けるような会社であって欲しい、また、そのような関係の社員を一人ずつでも、できるだけ多く増やしていけるような会社であって欲しいと思います。 相思相愛のために必要なことは、会社と社員、社員同士がお互いを認め合い尊重し信頼しあうことが大切だと思います。意識的に相手に対応する「気遣い」よりも心から思いやりをもって相手に対応できる「心遣い」のできる社員でありたいです。会社も、社員ひとりひとりに寄り添って勤務形態の柔軟性や仕事に対する不安の解消のため相談しやすい環境づくりを惜しまないでいたいと思います。「会社が寄り添ってくれる・守ってくれる」と社員の安心が増えれば、それが「会社のために・ともに働く仲間のために」と向上心となり、いずれ会社の成長へとつながるんだと思います。

最後に、スタッフに向けた感謝の言葉や社外に向けたメッセージをお願いします。

短期的な目先の損得ではなく、長期的に考えて、正しいこと、社員のためになること、顧問先のためになることを実践していけば、必ず目指す場所には近づいていけると思ってこれまでやってきました。目指す場所は決まっていても、どう歩めばたどり着くのか、どの道が安全なのかわかりません。これが一つの冒険だとしたら、先回りをしていろんな情報を得て皆に知らせてくれる人、はぐれてないか皆の様子を気にかけ仲間をサポートしてくれる人、不安を抱えている仲間がいれば寄り添って一緒に考えてくれる人、この事務所を支えてくれている所員ひとりひとりが勇者のように頼もしく誇りに思います。 時代の流れや変化のスピードが早くて、変えていかなければならないことはたくさんあります。 けれども変えてはいけない基本理念は、これからも愚直に守り続けたいと考えています。 ※上記記事は2022年10月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

高本税理士事務所所長高本和典

出身地
千葉県
趣味・特技
山歩き、ギター
好きな作家
福岡伸一
好きな映画
バック・トゥ・ザ・フューチャー
好きな音楽
モーツァルト
好きな観光地
伊豆