株式会社ハイファクトリ

INTERVIEW

代表者名

岩瀬浩延

所在地

東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前 5F

設立年

2006年

事業内容

  • IT業
  • Web制作
  • コンサルティング業
  • Webマーケティング

ホームページ制作と人材採用サポートを柱に事業を展開し、圧倒的な顧客満足度を誇るハイファクトリ。自分たちの会社を「お客様の第二の頭脳」だと語る岩瀬氏が率いるプロフェッショナル集団だ。スタッフ全員が使命感をもって業務に取り組み、同じ目的に向かって進んでいくために、会社運営の全てを明文化しているという岩瀬氏。多様性に配慮した独自の取り組み、コミュニケーションを活性化させる手法などについて聞いた。

INTERVIEW

株式会社ハイファクトリ代表取締役岩瀬浩延

私たちの「会社」BUSINESS

私たちはお客様の第二の頭脳。使命感をもって取り組み、結果を残す

会社の事業内容や設立までの経緯、この分野を選んだ理由をお聞かせください。

私たちは“Webの売るを知り尽くした会社”として、Webを通じてお客様の業績アップをサポートさせていただいています。事業の柱となっているのは、ホームページ制作をパッケージ化してご提供しているものと、企業様の人材採用をサポートするサービスです。この2つのサービスに共通しているのは、お客様の強みを見つけてその魅力をWeb上で存分にアピールし、反響を最大化するという点です。 実は私には昔から“他人の才能を見出すスキル”が備わっていたといいますか(笑)。学生時代から、友人たちの優れている点をいち早く見つけたり、個性を引き出したり……そんなことを得意としていました。もちろん自分でモノづくりをすることも好きでしたが、それよりも「いかにその人の魅力を引き出すか」「その魅力をどうやって発信していくか」といったことを考えるのが大好きでした。 転機になったのは上京後、飲食店でアルバイトをしていた時に知り合った先輩が、独立してお店を開くことになり、「ホームページを作ってくれないか」とお願いされたことです。当時はまだホームページ制作の知識も経験もありませんでしたが、そこは独学といいますか、見よう見まねで何とか作りました(笑)。実際にサイトを公開してみると思いがけず大きな反響があり、先輩が「売り上げがめちゃくちゃ上がったよ!」と、とても喜んでくれたんです。この頃は食べログやホットペッパー等のグルメサイトはほとんどなく、予約をネットから獲得するにはホームページぐらいしか無かった時代で、単にきれいなホームページを作るのでなく、ターゲットに向けてお店の強みや魅力を最大限アピールし予約してもらい、お店の売上(業績)に貢献することが出来るかどうか。目的やゴールを設定して取り組むことは、今につながる原点となり、最初の仕事で自社の一番の強みを作るきっかけとなりました。 こうして“Webの可能性”のようなものを実感することができたこと、ありがたいことに紹介などで仕事の依頼が続き、2003年に独立してフリーで活動するようになりました。当初は会社にしたり、組織を大きくしたりといったことは考えてもみませんでしたが、地元の茨城に戻らなければいけない事情が重なり、信用を維持するために法人化せざるを得なくなりました。最初は現エンジニアと私の2人でスタートし、4人、5人とスタッフが増えていって。いま気付いてみると、「良い会社をつくっている最中」と感じています(笑)。きっと「良いものをつくる」という想いは会社づくりにも通じるものがあると思っていて、自分が望む結果が得られると素直にうれしいですし、会社づくりを作品づくりのように感じています。

この仕事や業界の魅力、やりがいをお聞かせください。

私たちは言うなれば、お客様のもう一つの頭脳です。ヒアリングなどを通じてお客様の強みを見つけ、ホームページや広告などをあらゆるツールによってそれを表現し、結果を残す。自分たちに課せられた“企業の業績アップ”というミッションを果たすこと、それは何よりのやりがいであり、この仕事ならではの魅力だと思っています。 一般に、企業の社長や創業者といわれる人物は、自分の会社を客観視することが得意ではありません。私のこれまでの経験からも、誰かに言われて初めて自社の強みに気付くケースが少なくないのです。当社の場合、最初にお客様のもとにお邪魔するのは“商売の勘”のようなセンスが磨かれたWebコンサルタントがヒアリングすることです。お客様の話を丁寧に伺う中で、強みを見つけて整理する。それらをクリエイティブ部門につなぎ、ホームページなどの形にしてご提案させていただくという流れでプロジェクトを進めています。 私自身もそうでしたが、自分の手がけた仕事で目に見える成果が上がり、それをお客様と分かち合うことが何よりうれしいやり甲斐に繋がります。今は社長という立場ですから直接手を出すことはありませんけれど、社内のメンバーたちにはこうした成功体験をどんどん積み重ねてほしいと思っています。そのためにも、メンバー達のためにチャンスを広げ、成功体験を増やしていくことが今の自分の仕事だと考えています。

会社の強みや主力商品の魅力をお聞かせください。

2012年にスタートした『ウェブサクッ!』は、リリース当初まったく売れませんでした。前の年に東日本大震災後を経て、“地域貢献”の為に開発したサービスです。私たちにとっては毎日のように夜なべして作り上げた思い入れのあるサービスです。そのため、まさに“全員営業”といった形で取り組み、一時期は受注率100%が数カ月続くということもありました。 『ウェブサクッ!』の最大の特徴は、自社の魅力を存分にアピールできるホームページを最短3営業日以内に公開できることです。高品質なホームページに対して圧倒的な低価格も大きな魅力となっていて、ありがたいことに2022年に、顧客・価格・品質の3部門で満足度No.1となり、三冠獲得となりました。 そして、もう一つの採用サービス『ジョブリッジ®』のスタートは2018年です。こちらはとある人気カレー店のために作り上げたサービスといっても過言ではなく、試行錯誤の末に生まれたサービスです。そのカレー店のオーナー様から「ホームページに採用情報を掲載したい」とご相談いただいたときはまだ、世の中に広がる人手不足をリアルに感じることができていませんでした。ところがオーナー様とお話している最中にアルバイトさんから「お休みします」という電話が入り、たった一人欠けただけでお店の休業が決まる場面を目の当たりにしたのです。オーナー様はもちろん、お店の味を楽しみに開店前から行列を作っていた店のお客さんに頭を下げるオーナーさんの姿は、今でも決して忘れることができません。オーナーさんだけでなく、行列を作るほどカレーを待ち望んでいたお客さんの為にも「すぐにでも何とかしなければいけない」と強い使命感に駆られた出来事でした。 そんな、これまでに無い圧倒的な熱量と使命感を持って作り上げた『ジョブリッジ®』は、従来の採用コストを大幅に削減するとともに、お店や企業の魅力を最大限アピールできるサービスです。こちらも企業の採用ご担当者様による顧客満足度No.1となり、当社のサービスの大きな柱になってくれています。こんなふうに私たちの会社は「仕事だから と頑張るわけではなく、使命感を持って取り組むことの出来るエピソードが沢山あります。それが結果としてお客様にご満足いただけるサービスに繋がっていると思います。

経営者の心に残ったエピソードEPISODE

商品は売れなくても満足度はナンバーワン? 予想外の言葉に目からウロコが落ちました

今まで会社を経営してきた中で、一番心に残っているエピソードをお聞かせください。

私たちの仕事はお客様自身も気付いていない価値や強みを見出し、それらを効果的にアピールすることによって業績アップにつなげることです。自分たちの仕事で結果を残し、お客様に喜んでいただくことを最大の使命と考え、メンバーたちは日々全力で業務に取り組んでいます。私自身も以前はある意味で“結果が全て”だと考えていましたが、そんな自分に大きな気付きを与えてくれたのは、ランディングページを発注してくださった企業様でした。 このとき、販売拡大を目指して当社にご相談いただいた商品はシャンプーでした。私たちはいつものようにWebコンサルタントによる丁寧なヒアリングをもとに商品の強みを分析・整理し、ハリ・コシ・ツヤという3つのアプローチでサイトの制作を行いました。ところが全く反応が無かったのです。私たちの戦略はことごとく失敗してしまい、商品の販売拡大につなげることはできませんでした。私としても本当に申し訳ない気持ちで一杯だったのですが、先方から思いがけない言葉をいただき目からウロコが落ちる思いでした。 私たちからすれば惨憺たる結果ではあったものの、そのお客様は「満足しています」と言ってくださったのです。私たちが商品の強みを一つひとつ拾い上げ、市場をリサーチして戦略を立て、デザイン的にも優れたランディングページを作り上げたことを評価してくださったうえで、「ここまでしてもらって売れないのなら、この商品は売れないと納得できた」とおっしゃったのです。確かに業績面では期待した結果を得られなかったけれど、私たちがご提供したサービスについては「社内満足度はナンバーワンです」と。その言葉を聞いたときは本当にありがたいと思いましたし、結果だけでなくそのプロセスにも価値があるのだと実感できました。たとえ結果はどうであれ、使命感をもって業務を成し遂げること……このことは会社にとっても大事な教訓になっています。

私たちの「ビジョン」VISION

社会全体がよくなるように。正しいWebマーケティングを発信していく

あなたの会社の仕事で、どのような社会を実現していきたいですか?

「私たちはWebの“売る”を知り尽くした会社です」 これは、当社のホームページを開いていただくと最初に飛び込んでくるフレーズです。本来であれば“Webマーケティング”などカタカナ表記にしたほうがカッコイイのかもしれませんけれど(笑)。そこはあえて分かりやすく、自分たちの強みをシンプルかつ最大限アピールできるワードを選んだつもりです。こんなふうに誰にでもストレートに伝わる言葉で今後の展望をお話するなら、当社の今の目標は“ホームページの会社として認知度No.1を目指していく”ことです。 これまで私が力を注いできたのは確かにWebマーケティングです。一方で、Webマーケティングという言葉は非常にあいまいで、捉えどころがない印象がありますよね。この業界には広告系やインフラ系などさまざまな業種が次々に参入してきていますから、きっとお客様もどこに何を頼んだらいいか分からない状況になっていると思います。そうした現状を踏まえて私たちには、より確実な成果をもたらすホームページを適正な価格でご提供することにより、Webマーケティングに対する認識を正していく責任があると思っています。 今の世の中、ホームページのない会社など存在しないと思います。そしてこれから先は1社につき最低1サイト、新商品のリリースや採用ページなどを考えれば1社につき10サイト以上というのが当たり前の時代になるでしょう。口伝えで情報を得て意思決定をしていた行動様式は大きく変わり、最近ではSNSや口コミの情報をもとに意思決定し、行動する人が増えてきました。そんな今だからこそ、情報発信の手段も多様化していく必要があるだろうと考えています。 もちろん、お客様にとってはホームページを制作することが最終目的ではないはずです。ホームページを制作していかに集客につなげるか、いかにして商品の販売拡大につなげるか、ターゲットを設定して戦略を立てるのが私たちの仕事です。時代の変化に対応しつつもお客様のために何ができるかを一番に考え、より質の高いホームページやWebマーケティングを求める方々の受け皿になりたいと思います。社会全体がよくなるように行動すること。それは創業当時から変わらない私たちの使命です。

私たちの「SDGs」SDGs

月に4日は午後6時退社を徹底。過重労働を防止しつつ多様性に配慮した職場づくりを

SDGsの取り組みについてお聞かせください。

私たちの会社は過重労働という言葉とは無縁だと思いますし、同業他社さんに比べると残業時間も少ないほうではないでしょうか。Web広告代理店の残業時間の平均は40時間以上だそうですが、私たちは20時間前後。これは、2つの残業削減制度によって実現できています。たとえば午後8時以降の残業は原則禁止にしていて、どうしてもという場合は必ず私の承認を得てから残業するというフローになっています。また“ワクワク6時制度(通称:ワクロク)”といって、ひと月のうち4日間は必ず午後6時に退社しなければならない日を設定していて、人事部の管理のもとに制度の順守を徹底しています。 多様性に関する取り組みとしてはインターン制度を導入していたり、時短勤務をOKとしていたり。産休・育休取得後の復職率100%を達成していることを踏まえても、働きやすい環境づくりという点はクリアできていると思います。こんなふうに時代の変化に柔軟に対応なかでも、あくまで効率を重視してアナログ的な紙文化を残している部分もあります(笑)。また、9月1日の“防災の日”には毎年欠かさずに防災訓練を行うなど、組織として基本的な部分も大事にしていきたいと思っています。

私たちの「チーム作り」TEAM

会社運営にかかわることは全て明文化。全員が同じ気持ちで楽しみながら進んでいく

スタッフの成長をサポートする取り組み、能力を引き出すために工夫していることをお聞かせください。

会社のメンバーたちのキャリアプランをサポートするのは当たり前のことだと思っています。まず新人については必ず先輩がマンツーマンでつき、1年以上の育成期間を設けてしっかりと成長を見守ります。また国家試験のITパスポート試験、ネットマーケティング検定などを受けるための費用を負担しているほか、継続的な学びを支援する仕組みづくりに努めています。そしてもちろん、試験に合格して資格を取得できた場合には、給与にもきちんと反映されるようにしています。 メンバー同士の関係性を築く取り組みとしては、3か月に1度のペースで開催する“社内レクレーション”があります。年に1度の社員旅行よりも年に4回コミュニケーションの場を設けようと始まった通称社内レクは、その目的をしっかりと言語化しているところがポイントです。これだけ多様化が進むと社内レクの解釈も人それぞれで、遊びと捉えるスタッフもいれば、社内行事だと考えるスタッフもいます。ですから当日は「全員が最後まで楽しむ姿勢であること」といった声明文のようなものを読み上げることからスタートし、全員で思う存分楽しむようにしているのです(笑)。 これはほんの一例ですけれど、私たちの会社は本当にいろいろなことを明文化しているように思います。先輩と新人の間にジェネレーションギャップがあろうとも、文章として示されているものがあれば、それに沿ってみんなが一丸となって行動してくれますからね。全員が同じ方向を向いて仕事をするためにも、新しく迎える仲間たちのためにも、会社の理念や行動指針をきちんと明文化しておくことはとても大切だと思います。

もしも自分自身が会社の社員だったら、会社に期待することは何ですか?

自分が社員の立場だったら、トップにはもっとガンガン攻めてほしいですね。中長期的な戦略をしっかりと立てて、資本金を増資したり優秀なスタッフをヘッドハンティングしてきたり、スピード感をもって会社を成長させてほしいと願っていると思います。 私個人に対する大きな不満はないだろうな……と思いたいですが、実際はわかりませんが…(笑)。というのも、オフィスは綺麗ですし、利益が出れば還元を怠ったりしません。先日も給与体系を見直して同業他社と同等レベル、あるいはそれ以上の報酬に設定し直したばかりです。年を追うごとに待遇や職場環境がよくなっていますから、不平が出るというよりも、ある意味でそれがプレッシャーになっている人がいてほしいと願うばかりです(笑)。 こうした従業員に対する待遇は、企業理念でもある“つながる人すべての幸せをつくる”という考えがベースになっていす。“つながる人”というのはお客様のことでもありますが、一番大切にしなければならないのは一緒に働くメンバーだと考えています。実は、私たちは会社の理念にそぐわない案件はお引き受けしないことにしていて、これも社内のメンバーたちを守ることにつながっています。会社としての姿勢がきちんと明文化されていることで意思決定が容易になり、メンバーがきつい仕事を無理して頑張ることもありません。かつて広告業界にはびこっていたクライアントと下請けという厳しくてキツイ上下関係はなく、お客様のパートナーとして仕事をし、共に喜びを分かち合うことができる……そんな関係を目指しています。

最後に、メンバーに向けた感謝の言葉や社外に向けたメッセージをお願いします。

社内のメンバーには日頃から声をかけるようにしているのですが、それでも相手からするとまだ足りないかもしれません(笑)。私が声を大にして言いたいのは、メンバー全員それぞれが非常に優秀な人材であるということです。私から見ると1人につき“良いところ”を10個以上は言えます。本人たちがそれに気付いてくれないことにもどかしい思いをすることがあります。ですから定期的に発行する社内報に“推しメン!”というコーナーを作ってしまい、一人ずつ登場させては“いいところ”をずらりと書き並べて発信しています(笑)。 自分しか知らない欠点よりも、他人が思う良い点の方が、価値が高いと思っているからです。創業間もない頃から採用に力を入れてきた当社は、年間数千の方からの応募が入ります。今、活躍してくれるスタッフの中には、100~1,000倍の倍率をくぐり抜けて入社してくれた人なのです。彼らには入社した時点ですでに、当社の事業を通じて社会に大きく活躍できる資質が沢山あり、社会的にも希少価値の高い逸材であること。まずは自分が価値ある人材だということに気付き、素直に受け入れて、自信を持って仕事をしてほしいと心から思っているのです。なぜなら私の思う優秀な人の定義は、入社してくれた人全員だからです。 私自身も日々精一杯働いてくれているメンバーにこそ、この会社で働くことを幸せに感じ続けてくれるように、待遇や環境面だけでなく、働く人一人一人の気持ちを大切に経営者として引き続き努めていきます。 ※上記記事は2022年9月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

株式会社ハイファクトリ代表取締役岩瀬浩延

出身地
茨城県
座右の銘
生涯青春