株式会社アートブルー
INTERVIEW
事業内容
- IT業
- Webサービス・アプリ運営
- 広告業
- インターネット広告代理店
「ITのチカラでつながる仕組みを創造する」をコンセプトに、価値ある情報サイトの運営やWebマーケティングなどを手がけるアートブルー。人と人、人と情報がつながるコンテンツを次々に生み出すスペシャリスト集団だ。デザイナー出身の青山氏は自らの手で道を切り開き、社会が抱える課題を解決するべく力を尽くしてきた。笑顔があふれる社会の実現を目指す青山氏に、アイデアを生み出す原動力や今後の展望などを語ってもらった。
INTERVIEW
株式会社アートブルー代表取締役青山隆行
私たちの「会社」BUSINESS
人と人をつなぎ、人と情報をつなげる。インターネットを活用したビジネスを展開
御社の事業内容や設立までの経緯、この分野を選んだ理由をお聞かせください。
僕たちの会社は日本中の人を笑顔にするため、インターネットを通じて笑顔の種を撒き続けています。種の一つはクリニックや病気に関する情報を集めた医療サイトであったり、人々の生活を支える地域情報サイトであったり……。日々の暮らしの中で感じる不安や不都合を解消することで人々を笑顔にすることを目標に、さまざまなサイトを世に送りだしてきました。とはいえ自分としてはこの分野を選んだというつもりはなく、会社を作る気持ちなどまったくありませんでした。しかしあるとき、新しい道を切り開いていくには自分たちの手で始めなければならないという現実に直面し、“起業”を選んだというのが正直なところです。 27歳まで勤めていたデザイン事務所のトップは、古きよき日本企業の伝統をかたくなに守っているような社長でした。当時はちょうどインターネットが普及しはじめたころで、紙からコンピューターへ、アナログからデジタルへの移行が進みつつあった時期です。自分としては新しいことにチャレンジしたい気持ちがあったものの社長はそれを許さず、旧態依然とした体制を変えるつもりはさらさらありませんでした。インターネットを使ったデザインやビジネスに携わるための選択肢は2つ、転職をするか、自分のスキルを生かして新たなビジネスを始めるかのどちらかでした。そうして最終的に選んだのが、当時の仲間2人と一緒に会社を立ち上げるという道だったのです。 3人それぞれが共同代表という形で会社をスタートさせ、最初に手がけたのは地域密着型の情報を発信するサイトの運営でした。自分もまだ若かったですし、最初は“見よう見まね”といった感じでしたけれど(笑)。ホームページ制作やインターネットを活用したビジネスの可能性を信じ、「どこにもないものを作ろう」という熱い想いだけは誰にも負けませんでした。そもそも、紙媒体(DTP)とWEBデザインは大きな違いがあります。ターゲットを絞ってコンセプトを作っていくベースの部分は同じでも、使用するソフトも違えば色に対する考え方も違い、レイアウトで意識するポイントなどもまったく異なります。試行錯誤を繰り返していた最初の3年間は集客に苦しんで給料も出ず、本業とは別に夜中の2時までアルバイトをする生活でした(笑)。それでも自分が好きで選んだ道でしたから苦しみながらも楽しかったですし、あの時期があったからこそ今の自分があるのだと思っています。
この仕事や業界の魅力、やりがいなどをお聞かせください。
当社はインターネット上で情報を発信しているわけですが、全ての工程が完全にデジタル化されているわけではありません。「東京ドクターズ」ではクリニックに出向いて取材を行い、院長先生の想いまで伝わるような記事を作成します。取材相手と直接顔を合わせて関係性を深めるからこそご提案できることがありますし、実際に現場に足を運ぶことで見えてくる課題もあります。院長先生やスタッフの方も気付かなかったようなクリニックの魅力を発信することは健康に不安のある人々の暮らしを支えることにもつながり、大きな意味での社会貢献ができているのかなと感じています。 これまで1つ1つ積み重ねてきたノウハウは「理想の会社」にも踏襲され、ドクターや経営者との“人と人”としてのお付き合いはさらなる広がりを見せています。自分たちの手で集めた情報を単にサイトにアップするだけでなく、時代のニーズに合わせて加工し、進化させていく……。こうして考えてみるとインターネットビジネスにゴールはなく、だからこそ面白いのかもしれません(笑)。
御社の強みや主力商品の魅力をお聞かせください。
当社の強みは、さまざまな分野のプロフェッショナルが集結し、お客様が抱える問題の解決をお手伝いできることす。マーケティングの知識が豊富なスタッフ、デザインやライティングスキルが高いスタッフ、数多くの取材を手がけてきたベテランスタッフ。さらに、これまでに集めてきた膨大なデータ・情報は僕たちの財産です。 地域情報サイトで実績を積み、満を持してスタートした「東京ドクターズ」では掲載される医療機関が1つまた1つと増えていくことが純粋に嬉しくて(笑)。まるで野球少年が野球カードを集めるような感覚で、サイトの成長を喜び合ったものです。地域の中で暮らす人、仕事が忙しくて医療から遠ざかっている人たちに役立つ情報がサイトに集まるにつれてPV(アクセス数)が増えていき、「社会に必要とされている」ことを実感できました。 マーケティングやデザインなどのコンテンツは、1つ1つがビジネスの柱となり得るレベルにあります。さらにお客様のニーズに合わせてそれらを融合し、カスタムメイドのサービスとしてご提供することも可能です。お客様が僕たちに期待している以上の“答え”をご提示できること、それこそが(株)アートブルーの強みなのだと思います。
経営者の心に残ったエピソードEPISODE
5,000万円もの損失を穴埋めするため、その後の半年間は死に物狂いで働きました
今まで会社を経営してきた中で、心に強く残っているエピソードをお聞かせください。
「○○区.com」というドメイン名で地域情報サイトを運営していたころ、いざ次の区へ進出!と準備を進めていると希望するドメイン名がすでに使用されていた……という事件がありました。このときはサイトの運営者のもとへ飛んで行って、熱い想いと少々の金銭授受でドメインを譲っていただくことができました(笑)。 そんなエピソードはまだ可愛いもので(笑)、業務を拡大するなかでは思わぬ落とし穴にはまったこともありました。地域情報サイト・お医者さん検索サイトと順調に成長していたものですから「これはいける!」と5,000万円ほどをつぎ込んだのですが……これがまったくうまく行きませんでした。このときに学んだことは「リサーチは大事だ」ということ。その後の半年は給料返上で、死に物狂いでマイナスを取り戻しました。
私たちの「ビジョン」VISION
ITのチカラで今の日本が抱える問題を解決し笑顔があふれる社会を実現したい
御社の事業を通して、どのような社会を実現していきたいですか?
地域に暮らす人、医療を求める人、毎日頑張って働いている人……僕たちは同じ社会の一員として全ての人を元気に、笑顔にしたいと思っています。当社が展開するサービスはそれぞれターゲットやアプローチの仕方は異なるものの、目指すべきゴールは同じです。毎日頑張っている人を応援したい、自分たちの力で日本中の人を笑顔にしたい……。そのためには何が必要なのかを考え、社会に変革をもたらすべく取り組んできました。 土台作りからじっくり進めてきたプロジェクトは今ようやく5本の柱になりましたが、世の中にはまだまだ解決しなければならない課題が残っています。今も「次は何に取り掛かろうか」と考えているところで、毎日が楽しくて仕方ありません(笑)。これからも小さな気付きを大切にして少しでも快適な暮らしを実現できるように、新たなアイデアでビジネスシーンにイノベーションを起こせるようにしたいですね。ITの可能性は無限に広がっていますから、そのチカラを借りて日本中に“元気の種”をまいていきたいと思っています。 人間は不安や痛みから解放されてはじめて“笑顔”になれるのではないでしょうか。僕たちがサイトづくりを進める際にはこの部分に着目して、誰もが笑顔になれるようなサービスを考えてきました。たとえば多くのクリニック様からご支持をいただいている「東京ドクターズ」は、クリニック情報や求人情報の掲載、徒歩ルートや通院患者さんの口コミ動画配信、予約システムなど、1つあたりのコンテンツが数万円にもなる価値ある内容を毎月数千円でご提供しています。つまりクリニック様は圧倒的な低価格で充実のサービスを利用できるわけです。 一方でユーザー側の最大メリットは、単に最寄りのクリニックを探すだけでなく、クリニックの雰囲気や治療を担当する医師の人となりを知ったうえで受診できるという点です。「ここなら安心して受診できる」と感じていただけるような良質な情報を発信することは、クリニックを次々乗り換える“ドクターショッピング”や“医療難民”を減らすことにつながり、医療費の削減にも貢献できると考えています。 「東京ドクターズ」と同じく“顔が見える”という部分を大切にしているのが新たに立ち上げた「理想の会社」です。こちらのサイトでは中小企業経営者にスポットを当て、創業当時の想いや忘れられないエピソード、社員への感謝の気持ちなどを存分に語っていただいています。僕自身も経験がありますが、“社長”というのは意外と孤独なものです(笑)。社員の手前、弱いところは見せられませんし、悩みを気軽に話せる相手がなかなか見つからないんですよね。ですから、問題の解決につながるヒントであったり、新たなビジネスチャンスが見つかったりする場所があればいいだろうなと。そんな風に考えたのがサイト作りのスタートでした。サイト上には会社経営に欠かせない組織作り・人事・労務などにまつわるお役立ちコンテンツも充実していて、こちらもご好評をいただいています。
私たちの「SDGs」SDGs
自社のサイトを盛り上げていくことで、健康と福祉が充実した幸せな社会を作りたい
SDGsの取り組みについてお聞かせください。
これから先、ビジネスにおいてSDGsへの取り組みが重要になることは十分に理解しています。とはいえ、具体的な施策として「これをしています」と言えないのが正直なところです。まだ少しずつという状態ではありますが、スタッフたちに向けた教育や働きがいのある職場づくりなどに積極的に取り組んでいきたいと考えています。 私たちが運営する「東京ドクターズ」は “ドクターと患者の橋渡し役としてかかりつけ医が見つかる情報サービスを提供することで心も身体も健康な人たちがあふれる幸せな社会を創ります” を事業理念としています。これはまさにSDGsの目標と合致するものであり、このサイトをさらに盛り上げていくことこそ、すべての人に健康と福祉を提供することにつながると考えています。今後も17項目の達成に少しでも近づいていきたいと思っています。
私たちの「チーム作り」TEAM
会社にとって“人”は財産。変化を恐れず挑戦し、成長を続けてほしい
スタッフの成長をサポートする取り組みなどについてお聞かせください。
社員に対する教育やサポート体制などはこれまで軽視していた部分があり、いきなり営業に行かされた新人が退職するケースが少なくありませんでした。そうした事態を重く受け止めるとともに経営者として大いに反省し、教育面を中心に大幅な改革を行いました。 一例としては、新入社員・中堅社員それぞれのレベルに合ったセミナーへの参加、各分野のプロフェッショナルを招いての勉強会の実施などです。このほか人事評価や採用基準も明確にして、スタッフたちがやりがいや目的意識を持って働ける環境を整備しているところです。まだまだ試行錯誤の繰り返しではありますけれど、やはり会社にとって“人”は財産ですからね。縁があって巡り会えた人、とくに新人と呼ばれる若い世代を育てるのは社会全体の義務ではないでしょうか。僕も親御さんから大切なお子さんを預かっている立場ですから、これから先どんな環境にも対応できる能力を身につけてもらうとともに、次世代を担う人材に成長してもらえるようにサポートしていきたいと思います。
もしも自分自身が会社の社員だったら、会社に期待することは何ですか?
すぐに頭に思い浮かぶのは、「言葉使いを直せ」ということでしょうか(笑)。自分でも分かってはいるのですが、ついつい砕けた言い方になったり、強い口調になったりすることがありまして……。きっと周りのスタッフは迷惑に感じていると思いますので、この点については改めていきたいと思います。 そしてもう1つ、もしも自分がこの会社で働いていたらきっと「新しいことにチャレンジさせてください!」と直訴していると思います。自分が思い描くキャリアプランに沿って着実にスキルアップできるように、1人1人の成長をポートしてもらえたら嬉しいと思います。……と言ってしまったからには僕自身、スタッフたちの成長をしっかりとサポートしていかなければと思いを新たにしています(笑)。
最後に、スタッフに向けた感謝の言葉や社外に向けたメッセージをお願いします。
経営者としてはマズイのかもしれませんが、いつも頑張ってくれているスタッフに対して感謝の言葉を伝えることはなかなかできていません。あらためて感謝の言葉となると少々照れますけれど(笑)、僕からの突然の“無茶振り”にも嫌な顔をせず、期待以上のパフォーマンスを発揮してくれるスタッフたちにはいつも心から感謝しています。 地域密着型の情報サイトからはじまったインターネットビジネスは着実に広がりを見せ、サービスの利用件数も順調に伸びています。こうして当社が成長を続けることができているのは、何事にも前向きに取り組んでくれる彼らがいてくれるおかげです。そんな彼らには「これからもよろしくお願いします」と、そんな気持ちでいっぱいです。 ※上記記事は2022年8月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
株式会社アートブルー代表取締役青山隆行
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- 東京都
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