中途採用の流れをチェック!フローを見直し、採用活動の効率化へ

2022-09-30

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

採用中途採用

中途採用の流れを見直そう

中途採用活動にお困りの人事担当者の方はいらっしゃいませんか? 中途採用での人材確保が難航している企業は、採用フローが確立されていない場合が多く、採用活動の途中で優秀な人材を取りこぼしている可能性があります。

そこでこちらのページでは、中途採用の一般的な流れについてポイントを押さえながらお伝えしていくことにしましょう。

一般的な中途採用の流れ

採用活動成功の秘訣は、しっかりとした採用フローを設計することです。
人事担当の方は採用活動において一連の流れを意識されているでしょうが、緻密なフローが形成されているかどうかで、採用活動は左右され、求める人材の確保にも差が出ます。

「採用フローはできている」
「毎年同じフローで問題はない」

とおっしゃる担当者の方も、思い通りの人材が確保できていますか?
スムーズな採用活動ができ、人材の質にも満足しているということであれば、そのフローは正しく機能しているといえるでしょう。
しかし、思い通りの結果に恵まれていないのであれば、採用フローのどこかに落ち度があるのかもしれません。
中途採用活動を成功させるためにも、一度、採用フローの見直しをしてみましょう。

採用計画立案

最初に行うのは採用計画の設定です。
この計画の段階で具体的に計画を練ることが採用活動を円滑に行うためにも、重要なポイントです。

採用担当者

人事担当の方はもちろんのこと、採用部署の社員や実際に業務に携わっている社員など、中途採用の場合は経験を求める募集が多いので、候補者のスキルや業務内容が具体的にわかる方が担当に加わると良いでしょう。

採用活動理由

募集に至る経緯として、事業拡大のための増員なのか、社員の離職・退職による欠員補充なのかなどを確認しましょう。

採用方針・採用ターゲット

どのような人材をターゲットとするのか、具体的なスキルや経験、人物像(ペルソナ)をできるだけ詳しく決めます。
採用部署の現場の人間の声をしっかりと聞き、ニーズに応えられる人材をターゲットに設定しましょう。

採用基準

採用の基準となるスキルや資格、経験などを決めます。
選考の際の決め手にもなりますので、どの程度までなら任せたい業務に差し支えないのかなど、より具体的に、そして許容できる範囲で幅広く基準を設けましょう。

採用スケジュール

中途採用は通年採用が可能ですが、採用時期によって転職活動の波があります。
人材の欲しい時期と、転職市場の動きを予め把握しておくと良いでしょう。

一般的には、以下の時期に転職市場が動いているようです。

【3月~年度明け4月】
日本では多くの企業が年度制を取り入れています。
年度末でキリが良く、新年度に向けて転職活動をする動きがあります。

【6月または12月】
一般的に企業の賞与支給時期であるため、賞与を受け取ってから転職活動を行う傾向があります。

【9月~下半期スタート時期】
日本では多くの企業が年度制を取り入れているため、9月末の上半期の区切りをもって転職しようとする動きがあります。

母集団形成

採用対象となる母集団を形成します。
ターゲット人材を多く集めるには、この初期の段階で母集団形成のためにどのような方法を取るかが重要になってきます。
具体的には、さまざまな求人媒体(転職サイト、人材派遣、SNS、転職フェア、ハローワーク、自社ホームページ)から、自社に合った媒体を選定し、ターゲット人材を幅広く集めましょう。

募集要項の書き方にも注意が必要です。
特に中途採用では新卒採用以上に会社の雰囲気や働きやすさ、キャリアアップなどを求める応募者が多いものです。
自社がターゲット人材の目に留まるように、一般的な内容はより詳しく具体的に記載し、企業の強みや魅力を伝えられるようにしましょう。

母集団でターゲット人材をどれだけ集められるかが、その後の選考においてもキーポイントになるため、できるだけターゲット人材を集めることが重要です。

採用選考

応募者を選考していきます。
選考方法は書類選考、技能審査、面接などさまざまですが、選考を行うときに意識したいのは、選考段階のどこに力を入れるのかということです。
応募者の人間性やコミュニケーション能力を重視するのであれば、面接回数を増やしたり、時間をかけたりしても良いでしょう。
応募者のスキルや経験値を測りたい場合は、筆記試験や実技試験などを行うのも良いでしょう。
この際、採用計画で設定した人物像や採用基準などが重要になります。
選考の段階で基準と比較しながら、選考を進めていきましょう。

内定者フォロー

内定者が確定したら、内定辞退を防ぐためのフォローが重要です。
残念ながら内定が決まっても、さまざまな理由で辞退する内定者が一定数います。
特に在職中の内定者は在職企業との退職交渉が難航したり、引き留めにあったりすることも。
また、あまり考えたくはありませんが、内定者が他社と並行した転職活動を行っていて、複数社からの内定を天秤にかけている場合もあります。

内定者と定期的にコンタクトを取り、面談を行ったり、自社に足を運んでもらう機会を設けたりして内定者の様子や変化に気をつけましょう。
他にも、入社までの質問や不安を相談できる窓口を用意したり、配属先とのコミュニケーションを取る機会を設けたりするなどして、入社への不安を募らせないこともポイントです。
入社までのしっかりフォローで内定辞退を防ぎましょう。

中途採用成功は緻密な採用フロー次第

中途採用は新卒採用に比べて採用活動にかける時間が短く、他社との短期決戦傾向にあります。
そのため企業は中途採用の流れを意識し、計画的に採用を進めてしっかりと結果を出すことが重要です。

中途採用に注力する企業が増え、中途採用が行き詰まっている企業も多いことでしょうが、採用フローのポイントを押さえることで自社が欲するターゲット人材を効率的に確保していきましょう。

WRITER

麻生さきこ

ライター

キャリアアドバイザーとして求職者のカウンセリングや面接対策、就職セミナーなどに携わり、求職者と企業の双方の立場から就職支援、採用支援を行った経験あり。 個人事業主として開業後は、人材分野のほか、学習・教育分野、医療分野、サブカルチャー関連など幅広いジャンルでの執筆活動、インタビュー取材を多数行う。WEB媒体はもとより、広告、新聞、雑誌など紙面での記事執筆経験あり。硬軟使い分けたコラム、エッセイも得意。