中途採用とは?新卒採用との違いと注目すべきメリット・デメリットを解説!

2022-09-28

大後 ひろ子

C-OLING代表 ブランディングコンサルタント

採用中途採用

中途採用とは

中途採用をお考えの企業は、即戦力となる人材の不足にお悩みではありませんか?
もしくは新卒採用での人材の補填的な意味合いではないでしょうか。

「中途採用」とは、新卒以外の人材採用であり、就業経験のある人材を採用することをいいます。

多くの企業が中途採用を取り入れる中、中途採用で求める人材をいかに獲得できるかは、企業の今後の発展を左右します。

中途採用と新卒採用との違い、中途採用のメリット・デメリットについて解説していきましょう。

中途採用と新卒採用の違い

企業の人材採用の手段は、大きく分けて二つ。中途採用新卒採用があります。
両者の違いはどのようなものか、その特徴を見ていきましょう。

中途採用の特徴

中途採用は職務経験の有無や年齢にかかわらず、就業経験を持つ全ての人材が対象となります。
企業によっては中途採用を「キャリア採用」と称する場合もありますが、企業が採用者に求めるものは同様に即戦力としてのスキルやノウハウであり、社会人としてのマナーや業務上の知識は身に付いているのが前提です。

なお、中途採用は不定期採用ですが、会社によっては通年募集しているところもあります。

また、新卒採用後、数年以内に転職する若手人材の採用を「第二新卒採用」として区別する企業もあります。
しかし、第二新卒採用も中途採用の一つです。

新卒採用の特徴

新卒採用は該当年度卒業予定の学生(卒業見込みの新卒者)を対象としたものです。
そのため、採用時期は限られており、年に一度の定期採用となります。

企業は新卒採用者を自社でイチから育てる目的で採用します。
社会人経験がないのは当然のことですから、ポテンシャル重視採用で、将来的に自社で活躍してくれる人材であるかどうかを見極められます。

ポテンシャル重視の採用であるというポイントに絞ってみれば、中途採用の1つである第二新卒採用も採用理由は新卒採用と同様です。

中途採用が注目される理由

長らく日本企業の多くが新卒者を対象とした新卒一括採用が主流でした。
特に大企業であるほど、中途採用を全く行わない状態でした。

しかし、グローバル化が進む中で企業は専門スキルや新しい視点を持つ人材の重要性に気づき、即戦力として活躍する人材を確保する中途採用に乗り出したのです。

また、労働者側の意識の変化にも特筆すべきでしょう。
当たり前であった終身雇用制度が崩壊し、労働者にとって転職活動は自己実現のためのポジティブな活動として捉えられるようになったのです。
その結果、中途採用市場にはポジティブで高いスキルを持つ優秀な人材が存在するようになりました。

こうした背景から、企業の区別なく中途採用を積極的に行う企業が増えています。

中途採用のメリット・デメリット

中途採用には新卒採用にはないメリット・デメリットがあります。
中途採用のメリット・デメリットをみていきましょう。

中途採用のメリットとは

即戦力の確保

中途採用では企業側が求めるスキルや資格、経験年数、自社に必要な知識などを採用要件で提示することができます。
これらに適合した人材を獲得できるので、入社後すぐに即戦力としての活躍が期待できます。

自社にないノウハウの獲得

新規事業の立ち上げや事業改革などを行う際には、自社にない専門的な知識やノウハウ、スキルが必要となることもあるでしょう。
中途採用によってこれらの経験や知識、ノウハウを持つ人材を外部から取り入れることができれば、すぐに事業に結びつく効果を期待できます。

育成コストの削減

他社で経験を積んできた中途採用者の場合、社会人としての一定のマナーや常識などを備えているため、新卒採用者のように研修や教育にコストをかけずに済みます。
また、中途採用者がすでに実績やノウハウを持っている業務への配属であれば、新しい知識やスキルの習得に時間をかけるコストも削減できるでしょう。

タイミングに応じた採用・入社が可能

中途採用は自社のタイミングで入社時期を調整することが可能です。
そして募集から採用決定までの期間が短く、早ければ数週間から1ヵ月後には入社が叶います。
欲しい人材を効率良く採用できることもメリットです。

組織全体の業務効率化

中途採用者は、既存社員とは異なる仕事観を持っている場合が多いです。
そのため、中途採用者の入社は既存の組織に新しい気づきや発見をもたらしてくれるでしょう。
その結果、組織全体の活性化につながり、業務が効率化していくことも期待できます。

企業のイメージアップに貢献

中途採用を行う際、企業は企業の姿勢や事業展開などをアピールする機会に恵まれます。
特に「事業拡大による増員募集」、「業績好調による人材採用」、「海外進出によるもの」、「新規事業立ち上げによるもの」など、応募者に良好でクリーンなイメージを与える採用理由であれば、企業への安心感、安定感をもたらします。

中途採用のデメリットとは

前職のやり方や方針に固執

社会人としての経験が長いほど専門性もスキルも高いことを期待できますが、一方で前職での経験が、仕事のやり方に固執してしまう場合があります。
また、企業観や仕事への価値観が身についていることで、採用先の企業理念や会社風土を素直に受け入れられないという場合もあります。

早期退職の可能性

中途採用者が転職した理由にもよりますが、目的がキャリアアップや給与アップや待遇面である場合、よりよい環境があれば再度の転職活動を目指して、すぐに辞めてしまう可能性も考えられます。

中途採用を成功させ、求める人材の確保へ

ビジネス環境の変化と中途採用人材への期待から、今後はさらに中途採用市場での激しい企業競争が予想されます。

中途採用を成功させるためにも、人事担当者は戦略的な採用活動を行うことが不可欠です。

自社にもたらす中途採用のメリットとデメリットをしっかりと理解し、より求職者にアピールできる環境を用意して採用活動を行うべきでしょう。

WRITER

麻生さきこ

ライター

キャリアアドバイザーとして求職者のカウンセリングや面接対策、就職セミナーなどに携わり、求職者と企業の双方の立場から就職支援、採用支援を行った経験あり。 個人事業主として開業後は、人材分野のほか、学習・教育分野、医療分野、サブカルチャー関連など幅広いジャンルでの執筆活動、インタビュー取材を多数行う。WEB媒体はもとより、広告、新聞、雑誌など紙面での記事執筆経験あり。硬軟使い分けたコラム、エッセイも得意。